「ボルトがゆるゆる」新築内覧会で見た衝撃の光景 今年とくに注意したいのは「代替品」トラブル

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先に触れたように、内覧会シーズンの2~3月は、多くの売主や施工業者にとって決算期にあたる。より多くの売り上げを立てるために、年度末の引き渡しを優先せざるを得ない。

天候の関係や上記のような資材の納期遅れなどもあり、工事の進捗に遅れや変更が生じることは珍しくないが、年度末の引き渡しともなれば無理なスケジュール調整を行って完成時期はずらさないように工事を急ぐことになりやすい。結果、丁寧な施工よりもスケジュールありきの工事となり、各種不具合や施工不良が発生するリスクも高くなってしまうのだ。

加えて給湯器に関しては、代替品など本来とは異なる状況で確認を終えなければならない可能性が今年は高い。代替品といえども、実際に使うとなればトラブルも予想され、また引き渡し後に当初契約上の給湯器へと交換を行う際に不具合が生じるリスクも無視できない。

内覧会時点では未完成である部分の今後の工事も含め、どのような対応となるのか契約内容とも照らし合わせて確認をしておかなくてはならない。内覧会後の問題や再工事、また関連する違約金や補償費用に関わる部分でさらなるトラブルに発展しかねないためだ。

新築でも安心できない!? 施工ミスや不具合の例

築年数を経た既存住宅ではなく、真新しい一戸建て住宅でそれほど大きなミスや不具合があるとはにわかに信じられない方も多いだろう。また一見しただけでは確認しづらい箇所も多数存在する。そこでさくら事務所で実際に遭遇した例を挙げ、施工ミスや不具合についてご紹介したい。内覧会に臨む際の参考にしてほしい。

【CASE1】見えない床下に水たまりが……カビや木材劣化の原因に

(写真:さくら事務所)

床下の点検口から中をのぞくと、実は結構な量の水がたまっているケースがある。何らかの理由により床下のどこからか水漏れが発生し、数センチ水がたまってプールのような状態になってしまっているのだ。

(写真:さくら事務所)

また工事中に発生した基礎部分にたまった水を排水しないまま放置してしまい、水たまりができていた例もある。

一般的に、木材に含まれている水分の割合は20%以下の乾燥木材が良好とされているが、こういったケースの場合、床を支える木材の水分量が30%を超えてしまっている場合もある。このままの状態が続けば、床下空間にカビが繁殖したり、木材が腐って劣化するリスクも高まる。またシロアリなど害虫が発生しやすくもなり注意が必要だ。

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