日本は世界で最もセックスの頻度が低い社会
イギリスの大手コンドームメーカー、Durex社は、「グローバル セクシャル ウェルビーング サーベイ(性の幸せに関する世界調査)」という調査を行っています。このデータ、いくつかのメディアで紹介されていますが、あらためて読み直すとかなりショッキングです。
日本は世界で最もセックスの頻度が低い社会で、かつ性生活に関して満足していない人の比率が満足している人の比率より高い、唯一の社会なのです。
もちろん、サンプリングの問題はありえます。インターネットを通じての調査なので、調査対象者の偏りはどうしても生じるはずですが、それを意識したサンプリングはしているようです。また、この調査は今まで何度も行われており、そのたびに同じような結果が出ているので、サンプルの偏りが多少あったとしても、これは統計的に意味があると考えるべきデータです。
2005年の調査を見ていきましょう。日本人の年間の性交の回数は45回で、調査対象となった41カ国中最低。それも下から2番目のシンガポールの6割ほど、41カ国の平均の半分以下で、その低さは突出しています。
性に対する満足度も、中国に次いで下から2番目で、わずか24%(41カ国平均は44%)にすぎず、「私の性生活は単調」と答えた人の比率も中国に次ぐ第2位の13%(同7%)です。「性に対してオープンな考えを持っている」人の比率も41カ国中最低で、わずか20%(同45%)。
回数自体は、当事者が満足していればとやかく言うべきものではないかもしれませんが、回数と満足度が突出して低く、オープンな考えを持つ人が非常に少ないとなると、問題はかなり深刻です。つまり、問題を解決するための対話に必要な態度(オープンさ)まで欠けているということになるからです。
結果として、自分の性的な欲求を相手に伝えられているという人の比率が、やはり極端に低く、下から3番目です。オープンさや欲求を伝えられる人の比率が、イスラム圏のインドネシアやマレーシアなどに比べても低くて、世界の最下位グループというのは考えさせられます。
40代よりも30代のほうが、セックスレスが多い理由
外国人が日本に来ると、水着姿の女性の写真が通勤電車の中吊りに載っていることや、ヌードを載せた週刊誌・新聞が駅の売店で平然と売られていることに、とても驚きます。性であふれかえっているように見える日本社会、実は極端なセックスレス社会なのです。
2011年調査では、37カ国を対象に、セックスの回数が週1回以上の人の比率を取っているのですが、日本はやはり最下位でわずか27%。次に少ないイギリス(55%)の半分にすぎません。そもそも、これほどセックスが少なければ、少子化が進むのも当たり前ですね。
実は日本にも、ランダムサンプリングに基づいた信頼できる性に関する調査がひとつだけあります。NHKが1999年に行った「日本人の性行動・性意識調査」です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら