定年延長は時期尚早 継続雇用を確実に実現--日本労働組合総連合会会長・古賀伸明《討論・70歳まで働くべきか!?》

定年延長は時期尚早 継続雇用を確実に実現--日本労働組合総連合会会長・古賀伸明《討論・70歳まで働くべきか!?》

定年延長は時期尚早 継続雇用を確実に実現

日本労働組合総連合会(連合)では2008年10月の中央執行委員会で、高齢者雇用の当面の対応を確認している。高齢者雇用は重要な政策課題であり、希望者全員の65歳までの雇用確保をまず実現する。そのうえで、高齢者が安心して働ける就労環境や労働条件を一層検討・促進する必要がある。

高齢者雇用を考える際には、雇用と年金の接続が何よりも大切だ。13年には厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢引き上げが始まる。そうなると、60歳での定年退職後、無収入となる人が出る可能性は十分にある。それを防ぐためにも、希望すれば誰もが65歳まで安心して働き続けられる環境を作る必要がある。

現在の改正高年齢者雇用安定法でも、原則、希望すれば65歳まで働けることになっている。ただし、例外規定があり、労使協定や就業規則によって、多くの企業が継続雇用に基準を設けている。しかも同法には罰則規定がない。私は例外規定を認めるべきではないし、(雇用延長措置を実施しない企業に対する)罰則も設けるべきだと思う。

大企業などでは、労使協定で事実上の選別が行われているという話を聞く。ただし連合の電話相談では継続雇用に関するクレームは少ない。おそらくこれからの問題だろう。私は00年代初め、松下単組(パナソニック)の役員時代に65歳までの継続雇用の労使協議を行ったが、継続雇用の希望者自体がとても少なかった。しかし、当時はまだ厚生年金も企業年金も確保されていた時代。現在とは環境が違う。高齢者就労はまさにこれからの問題だ。

それでも70歳まで働く制度に一足飛びに移るのはどうか。うがった見方をすれば、70歳まで働ける社会という提言が、年金の支給開始年齢のさらなる引き上げに対する口実となる疑念がある。年金制度は現状のままでは破綻する可能性が高いわけでしょう。高齢者雇用制度が年金制度の後追いとなるのはまずい。

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