専門性を磨いても、職場では活躍できない?

若手社員の「お勉強」ブームを見て考える

インテリジェンスHITO総合研究所が行った「ビジネスパーソンのキャリア実態調査」によると、「より専門性の高い仕事が出来るようになった」と感じている比率が高いのは25~39歳の世代でした。逆にいちばん低かったのは40~44歳の世代。若手だけに、自分たちの進歩を実感していると思える結果ですが、このデータをみた40代からは

「20代後半の社員たちに専門性の進歩を感じないのですが」

との厳しいコメントが複数の人から返ってきました。さらに資格取得や勉強意欲の高さは感じるが、仕事の中で生かされていないと、話してくれた人も。どうやら、両者の間で、専門性に対する認識の違いがあるのかもしれません。ということで、今回は若手社員に期待したい専門性について考えてみたいと思います。

資格熱は高まるばかりだが……

いつの時代もキャリアアップのキーワードとして挙げられる専門性。その専門性の高さを示す証しと言えば資格取得。メディア上では転職に役立つ資格、年収アップにつながる資格――といった特集記事が頻繁に組まれます。会社で教えてくれること以外について自ら投資して学び、それを仕事に役立てようとするのは成長意欲が高いことの現れ。

それにしても、今どきのビジネスパーソンはどんな資格に関心があるのでしょうか? ちなみに仕事で活用している、満足度の高い資格のランキングを見ると、

1位 英検(実用英語技能検定)
2位 個人情報保護士
3位 漢語水平考試(HSK) ⇒中国語検定
4位 技術士
5位 公認会計士

とのこと。また、別の仕事に役立っていると考える資格のランキングでは、1位は公認会計士。加えて、取得したい資格では、TOEICテスト(の点数)が上位にランクインしています。英語だけでなく中国語が上位にランクインするところにグローバル化対応への覚悟を感じます。

ちなみに漢語水平考試は中国語を母国語としない中国語学習者のための唯一、公認の中国語能力認定標準化国家試験。日経新聞の報道によると、この資格を生かして貿易事務、通訳、翻訳家として中国とかかわる仕事に就けた人も少ないないとのことで、有力な資格のようです。

ちなみに「自分への投資」で多く出費しているものは何ですか?の問いに対して、資格取得を高い比率で回答するのは20代でした。別の調査では、20代は書籍や英会話など、習い事への出費も多いとの結果が出ています。実際、個別に取材してみても

「財務分析力を高めて、自分自身のスキルアップに努めたい」

「語学力をあげて仕事の幅を広げたい」

と専門性を高めることへの熱意を感じる声が多くありました。ただ、その専門性を高めることへの意欲は、職場ではどのように評価されているのか?

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