妖怪ウォッチとアイカツ、人気の「共通点」 現実以上、ファンタジー未満?

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妖怪ウォッチは、空想の冒険までいかない、現実のちょっと外側に新しい“世界”をつくることで、子どもたちを魅了しているのだ。

女の子のリアル追求

多くの子どもたちを引きつけているコンテンツが、もう一つある。「アイカツ!」だ。今、小学生の女の子を中心に爆発的な人気を集めている。

個別に数値があり、価値がわかりやすく示された「アイカツ!」カード。これも、バンダイが仮面ライダーなどのカードで培ったゲーム性を高める演出の一つ

アイカツ!とはアイドル活動の意味。女子中高生たちが、トップアイドルを目指してコンサートやファンとの交流イベントなどに取り組むストーリーだ。

アイカツ!も妖怪ウォッチと同様、複数の企業が携わる。原案のバンダイはこれを「IP(知的財産)軸戦略」と表現する。中心は、ゲームセンターなどにある大型ゲーム機とカードを組み合わせて遊ぶ「データカードダス」と、テレビアニメだ。アニメ制作は、機動戦士ガンダムシリーズも手掛けてきたサンライズ。12月には映画公開も控える。

キャラクターが身に着ける衣装などが描かれたカードは、12年10月の開始から14年3月までに1億1千万枚を出荷。バンダイは「近年データカードダスの中で、小学生の女の子向けコンテンツが欠けていた」というが、アイカツ!によって「女子小学生が集めるカードゲーム」という新市場を開拓した。

データカードダスチームのリーダー、廣瀬剛さんは言う。

「アイカツ!はリアルさを追求した。この年代の女児は『子どもっぽい』と感じると離れる傾向がある。そこでファンタジーではない路線を目指しました」

オーディションで選ばれたり、多人数で活動したりするアイドルグループが全盛を迎える今、少女たちにとってアイドルは手の届かない存在ではなくなった。アイドルの現実感が増すなかで、“脱ファンタジー”を明確にしてヒットを呼び込んだのが、アイカツ!なのだ。

リアルへのこだわりは細部に及ぶ。各キャラクターには好みのファッションブランドがあり、その数は現在14。ピンク色を基調にした、いわゆる女の子らしいブランドやロックテイスト、セクシーさを強調したものなどで、それぞれのブランドコンセプトをはっきりと打ち出した。

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