妖怪ウォッチとアイカツ、人気の「共通点」 現実以上、ファンタジー未満?

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男児向けノウハウ応用

ゲームは音楽に合わせてボタンをたたくリズムゲーム。これを楽しむ子どもたちは「オーディションのステージに立つ」という設定だ。舞台に合ったドレスやアクセサリーのカードを選べば、得点が底上げされる。

「男の子向けでヒットしたノウハウを応用しました。従来の女の子向けは、男の子向けのような戦闘シーンがなく、難しかった。アイカツ!はブランドコンセプトに合うか、合わないかという軸をつくりゲーム性を持たせました」(廣瀬さん)

ゲームはアニメとの連動で魅力が高まる。ゲーム用カードは2カ月に1度、新キャラクターが登場し、新しいドレスなどが紹介される。アニメでは、その新しい登場人物や衣装を扱った物語が描かれる。こうした展開は、バンダイとサンライズの担当者が毎週行う会議で詰めている。監督の木村隆一さんは、

「アニメは、アイカツ!の世界観をつくる役割。物語の力で、ゲームを遊ぶ子どもたちの想像力を膨らませたいのです」

12年に放映が始まったアニメは、10月から3年目。今季から主人公が星宮いちごから大空あかりに交代した。アイカツ!の脚本家、加藤陽一さんは言う。

「前シリーズまでは泣き虫だったあかりが、人と出会うことで運命を変えていく。あかりと出会った周りの人間も変わる。『出会いって素晴らしい』。新シリーズでは、そんなメッセージが伝わればと思っています」

子どもたちの心をがっちりとつかんだアイカツ!と妖怪ウォッチの勢いは、どこまで続くか。

(AERA編集部:宮下直之、写真部:加藤夏子)

※AERA 2014年11月3日号

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