30歳から「成長した人」「しなかった人」の考え方 ちょっとした考え方の違いが大きな差を生む

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“ラク”のツケは、後で回ってきます。いま、難しいことを選んだ人のなかには、「自分だけが損をしている」「みんなラクそうな仕事でいいなぁ」と思う人もいるでしょう。でも、そんな時期がいちばん成長しているとき。後でフッと力が抜け、パッと世界が広がる時期がやってきます。難しいほう、変化するほうを選んだ結果が、その次の年代に生かされてきます。勇気をもって挑んだご褒美は、必ず後になってもらえるのです。

何もしない、変わらないこと=“退化”

(まんが:ただっち)

多くの人たちは、“安定”という場所を目指そうとします。でも、そんな幻の場所なんて、世界中探しても、どこにもないでしょう。なんにしても時間とともに変わっていくのが世の常。社会状況、会社、家庭の状況、人間関係、ものの価値、常識、仕事のやり方、人の気持ち……「ずっと変わらない」というものはありません。あるとすれば、自然や人間の本質的な部分だけ。特に現代社会は、異常なスピードで変化しています。そんななかで、「会社にいさえすれば安泰」ととどまっていると、たちまち生きづらくなってしまうはずです。

人は変わることに、“恐怖”を感じるといいます。つまり、未知の世界への恐れです。変わることは、冒険でもあります。先はどうなるかわからない。いまの状態がすべて満足なワケではないけれど、それほど悪くはないという場合、人は「変わらないこと」を選ぶのでしょう。

「変わらないこと」も恐怖!

でも、実は、「変わらないこと」も“恐怖”なのです。私はいつも、こちらの恐怖のほうを強く感じています。仕事にしても人間関係にしても、同じ状態が続けば、必ずマンネリ化して飽きられてしまいます。

たとえ、30歳前後に「いつも同じものを提供すること」が仕事だったとしても、自分を奮い立たせながら、同じ状態を守り続けることは並大抵のことではありません。人は、新しいもの、興味があるものに対しては強いエネルギーが働きますが、慣れていくものに対しては、エネルギーが減退していくものですから。

どんなことであれ、続けるためには、主体的に“変化”していくことが必要。“安定”とは、現状に甘んじたり、寄りかかったりすることではなく、状況に合わせて、しなやかに“変化”しながら安定感を保つことです。なにもしないこと、変わらないことは、30歳を過ぎてからは、“退化”になってしまいます。

“成長”も“継続”も“安定”も、変化の上に成り立っているもの。つまり、私たちは、変わっていくこと以外に道はないのです。ならば覚悟を決め、少し先にある場所を目指して、大いに変化しようではありませんか。

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