「ネット上の人間関係が怖い人」が知るべき超本質 オードリー・タンがネット発信で大事にする事

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普段、私たちがウェブサービスで何かしらの欠点を見つけた時には、相手に一定の作業時間を与えたうえで、修正してもらいたいと伝えます。
たとえばその期間が1か月だったとして、相手がその期間内に対応してくれない場合は、やむを得ずインターネット上の公開された場でその欠点を指摘します。そのウェブサービスの利用者を保護するために仕方なくそうしています。

でも相手が修正作業をしているのであれば、こちらが指定した期限に関係なく、作業が終わるのを待つことができます。そうすれば彼ら自身も「これこれこういった問題を解決しました」と自分の口で説明することができますし、そのサービスの利用者にもさらなる損失を与えずに済みますから、それが最もよい形ですよね。

ですので、こうした「ネット上での暴露」とは、まず非公開の場で相手にそうした状況がある旨を指摘し、相手が反応するまでの合理的な時間を与え、それでも先方が相手にしてくれなかった場合にのみ、申し訳ないけれどする行為なのかなと思います。

相手が「故意」と決めつけない

指摘する側も、もし相手に何らかの過失があったとしても、「相手が故意にやっている」とは思わないことです。実際、ほとんどのミスは故意でなく過失によって起こりますが、それを他人が区別するのはほとんど不可能ですよね? だからこそ、相手に時間を与えて直してもらえるよう願い出るのです。

過失で起こったミスであれば相手はきっと対応してくれるでしょう。もし指摘しても相手にしてもらえないのであれば、それは故意によるものだったのかもしれませんね。

 

※白色テロとは?
1895〜1945年までの50年間続いた日本統治時代が終わり、蔣介石率いる中国国民党が台湾を接収した後、中国から台湾に来た人(外省人)と、もともと台湾に住んでいた人(本省人)の間に対立が生まれ、1947年には〈二・二八事件〉が勃発。両者の対立が各都市で激化した。その流れで1949年から1987年までの38年間、台湾では戒厳令が敷かれ、為政者の政治的な敵対者とみなされた民主運動家や知識人、さらには一般民衆までもが暴力の対象となる〈白色テロ〉が横行した。問答無用で急に連行され、拷問され、時には投獄、処刑される者もいた。その多くが冤罪だったことをずっと後になって政府が認め、謝罪しているが、正確な犠牲者を示す資料は残っていないとされる。その恐怖は台湾人のDNAに染み込み、平和な世となった現代でさえ、ほんの数十年前まで一般家庭で〈白色テロ〉を話題にすることははばかられていた。
近藤 弥生子 ノンフィクションライター

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こんどう やえこ / Yaeko Kondo

2011年より台湾・台北在住。オードリー・タンからカルチャー界隈まで、生活者目線で取材し続ける。東京の出版社で雑誌編集を経たのち、駐在員との結婚をきっかけに台湾移住。現地デジタルマーケティング企業で勤務後、独立して日本語・繁体字中国語でのコンテンツ制作を行う草月藤編集有限公司を設立。台湾での妊娠出産、離婚・シングルマザーを経て、台湾人と再婚。著書に『オードリー・タンの思考』『オードリー・タン 母の手記「成長戦争」』『まだ誰も見たことのない「未来」の話をしよう』『台湾はおばちゃんで回ってる⁈』がある。

ブログ:「心跳台灣」

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