パートの人に影響大!「社会保険」適用拡大のカベ 今年10月から変更、年間20万手取り減の場合も

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③ 「雇用期間が2カ月を超えて見込まれる」とは、2カ月で雇用契約が終了することと明らかでない場合がこれに該当します。つまり、雇用契約が2カ月だったとしても「契約更新する場合がある」等と記載され、実際に今まで更新されている方がいるケースは2カ月を超えて見込まれると判断されることになります。そのため、2カ月間だけきっちり限定の短期バイトのようなケースでない限り、2カ月の見込みがあると判断されることになります。

④ 「学生でないこと」とは、文字通り学生は対象外ということですが、例外的に夜間学生や卒業前に就職し、卒業後もそのままその会社で働く学生等は対象となるので注意が必要です。

このように、社会保険加入基準は4つありますが、従業員側の都合で調整できるのは現実的には①「週所定労働時間が20時間以上であること」しかありません。配偶者等の扶養に加入していて、どうしても社会保険に加入したくない方は、早めに会社に相談し、週所定労働時間を20時間未満に調整してもらうなどの対応が必要です。

3、加入は損か得か

(1)保険料について 

加入基準がわかったところで、次はいちばん気になるお金の話です。まず、当然社会保険に加入となれば、保険料がかかるわけですが、ご自身が現在国民年金第1号被保険者なのか国民年金第3号被保険者(配偶者の扶養に入っている方)であるのかによって影響がだいぶ異なってきます。

例えば現在、第1号被保険者として、国民年金保険料(令和3年度月額1万6610円)を負担し、また国民健康保険の被保険者として健康保険料・介護保険料を負担している方が、月収12万程度あって、今回の改正により社会保険の加入することになり、標準報酬月額が11万8000円で加入となったケースです(なお、「標準報酬月額」の詳細は過去記事『給与が減ったと思ったら「この表」を見よ!』をご覧ください)。

まず、厚生年金保険料は月額1万797円(令和3年度)になるため、従前負担していた国民年金保険料より安くなり、なんと年間で6万9756円、年金分の保険料負担が減ることになります。これは、厚生年金保険料を会社が折半してくれているため、加入した方がかえって特になるということです。

ちなみに、国民健康保険料は、市区町村によって算出式が異なるため一概に比較することができません。ただ、今回の月収のケースだと、加入後の健康保険・介護保険・厚生年金の本人負担分の合計が1万7665円になるのに対して、従前負担していた金額は、国民年金保険料だけでも1万6610円(差額1055円)なので、現在負担している国民健康保険料を加えれば間違いなく加入後の合計負担額1万7665円を超えているはずです。つまり、国民年金第1号被保険者のケースは、社会保険に加入することによって、逆に社会保険料の負担が少なくなることがあるということです。

一方、配偶者の扶養に加入している国民年金第3号被保険者のケースだと、現在は健康保険料および国民年金保険料の負担がありません。それが、上記の通り、月収12万程度で加入となった場合は、健康保険料(介護含む)と厚生年金保険料を合わせて月額1万7665円(令和3年度)の負担が発生することになるため、年間だと21万1980円手取りが少なくなってしまうわけです。

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