「バイト稼ぎすぎ」の大学生が親にかける大迷惑 思わぬところでたっぷり税金をとられるかも
「大学生の子どものアルバイト収入なんて、お小遣い程度でしょ」
と、高をくくっている親も多いでしょう。日本学生支援機構の学生生活調査(2016年度)によると、大学生でアルバイトをしている割合は83.6%、年間収入の平均額は35万6100円となっています。多くの大学生がバイトで月約3万円を稼いでいることがわかりますが、私は大学生の子どもを持つ50代からの相談も多く、そこで聞く話から、最近の学生はいろんな稼ぎ方をしているものだと実感しています。
わが子がどのようなバイトをして、どれくらい稼いでいるか? これを親はしっかり把握しておかないと、思わぬ負担が増えることにもなりかねません。子どもが稼ぎすぎると、扶養控除を適用できなくなったりして税額負担が重くなるのです。具体的なケースを紹介しながら、お話しします。
「特定扶養親族」から外れた年収120万円の息子
「大学2年生の息子がアルバイトで予想以上に稼いで、扶養から外れてしまった……」
先日、相談に来たAさんは、そうぼやいていました。聞けば、息子さんは飲食店でのアルバイトが楽しく、リーダーにも抜擢されて、夜と週末のほとんどを費やした結果、年収約120万円も稼いだとのこと。そのため、扶養から外れて家計に思わぬ影響があったと言うのです。
ひとくちに扶養といっても、税金面の扶養と社会保険面の扶養の2つがあります。税金面では扶養控除の仕組みがあり、控除対象となる扶養親族を持つ扶養者(Aさん)は、自分の収入から一定金額の控除を受けられます。簡単にいうと、扶養親族(控除)が多いほど、税金が安くなる仕組みです。
Aさんの息子は大学2年生で19歳なので「特定扶養親族」として控除適用することができます。具体的には、Aさんは支払うべき所得税を計算するうえで収入から63万円、また住民税を計算するうえでは45万円が収入から差し引かれるのです。ちょっとややこしいですが、Aさんの年収は約600万円で所得税率10%ですから、19歳の息子を持つことで年間6万3000円の税額軽減を得ることができます。住民税率も10%なので税額軽減は4万5000円、合計でAさんは10万8000円も税金が安くなるのです。
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