パートの人に影響大!「社会保険」適用拡大のカベ 今年10月から変更、年間20万手取り減の場合も

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次に、従業員の定義ですが、この従業員はあくまでも、社会保険に加入している、いわゆる被保険者をカウントします。非常に紛らわしいのですが、単純に従業員数でカウントするわけではないのです。

例えば従業員数400名の会社で、そのうち正社員が50名、パートが350名で、パートの全員が社会保険に加入していないとします。この場合、社会保険に加入している従業員は正社員50名だけになるので、今回の100名の基準には該当せず、適用拡大の対象とならないわけです。

2、具体的な社会保険の加入基準とは

では、社会保険加入基準について、話を進めます。加入基準は4つあり、具体的には、①週所定労働時間が20時間以上であること、②月額賃金が8万8千円以上であること、③雇用期間が2カ月を超えて見込まれること、④学生でないことです。

① 「週所定労働時間が20時間以上であること」とは、会社と締結した雇用契約書等に記載されている週所定労働時間(あらかじめ契約で定められた1週間で勤務しなければならない時間)が20時間以上かどうかということです。たとえば、たまたま残業したので、20時間を超えてしまったような場合は対象とならないわけです(ただし、労働契約上は週20時間未満であっても、実態として恒常的に20時間以上働いている場合は加入となるので注意が必要です)。

② 「月額賃金が8万8千円以上であること」とは、基本給など毎月支給される決まった給与だけを計算して月額8万8千円以上かということです。つまり、残業代やボーナスなど、あらかじめ決まっていない給与等は含みません。つまり、結果で判断するわけではなく、契約上の金額で判断するのです。

また、通勤手当や皆勤手当、家族手当も除外して計算します。よく、メディアなどで年収106万円の壁と言われていますが、あれは月額8万8千円を年換算しただけで、あくまでも税金のように年収から判断されるわけではないので、ご注意ください。

ところで、8万8千円という基準ですが、最近は最低賃金が毎年上昇しており、東京だと現在の最低賃金が1041円(2021年)になるので、たとえ労働時間が週20時間ちょうどであっても、1041円×20時間×約4.3週=89526円となり、8万8千円を超えることになります。最低賃金が高い東京、神奈川県1040円(2021年)ではこの月額賃金の基準で除外されることは実質ないことになります。

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