タイプ音や咀嚼音で不調「ミソフォニア」という病 耳栓は自分を「音」から守るための重要なツール

学校では勉強よりただ音に耐えることが多かった
――皆さんの苦手な音を教えてください。
高岡稜さん(以下、高岡):僕は小学5年生のときに発症し、高校3年生まで音に悩まされました。苦手だったのは鼻をすする音、せき払い、せきやくしゃみなど、人から出る音です。聞くと嫌悪感を覚えて、途端に集中力がなくなります。
通学の電車や授業中は、たくさんの生徒が周りにいるため、イヤホンや耳栓をつけて音から身を守っていました。学校では勉強するというより、ただ音に耐えることが多かったです。
田中さん(仮名・以下、田中):私は小学校高学年から、高校卒業まで症状がありました。そしゃく音や鼻をすする音、麺をすする音。あとは時計の針の音、文字を書く音、ペンのカチカチという音など、繰り返される音が苦手です。耳に入ると急に不安な気持ちになり、その音だけが大きく聞こえて繰り返され、涙が出てしまうこともありました。