日本株を脅かす「3つのリスク」はいつ消えるのか 「ウクライナ危機」は当面のヤマ場を迎えた

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最後の新型コロナウイルスによるリスクはどうだろうか。

よく知られているように、感染症法は病原体をその危険度に応じて1~5類に分けている。1類の代表感染症がペストであり、2類が結核、3類がコレラ、4類がマラリア、5類が季節性インフルエンザだ。

このうち、1類と2類は入院勧告・就業制限・外出自粛など強権的規制ができる。新型コロナウイルスは「新型インフルエンザ等感染症」として、別枠となっているが、登場から2年あまりが経過し、「4月にも5類(季節性インフルエンザ)に組み入れられる」などといった兜町筋の情報もある。この流れに沿っていくなら、市場は「彼岸底」が考えられる。

しかし、現在の「オミクロンBA.1型」の亜種で「ステルスオミクロン」とも称される「BA.2(ビーエーツー)型」の登場で、再び不透明感が増している。一般的なPCR検査では「BA.1」か「BA.2」の区別ができず、「BA.2」は感染力も強いとされる。

最新の報告では、ワクチン3回目の接種率が最も高いデンマークですでにおよそ半分、南アフリカではほぼすべてが「BA.2」に置き換わったとされる。日本でも感染の報告が出始めた。「予想で売って結果で買う」市場のネガティブ要因対策において、最も苦手なケースとなっている。

ウクライナ情勢が最初に反映されるPMIに注目

以上見てきたように、現在の日本市場はネガティブ要因が満載で、不透明感が横溢している。これでは、かなり下げても投資家としては思い切って手を出せないのが実情だ。

だが、売られても2万7000円前後に戻る日経平均は、なぜか強く感じる。その理由は5月あたりにわかるような気がする。

最後に今週の予定を見てみよう。

まず、21日に発表される欧州2月の購買担当者景気指数(PMI)速報値を注目したい。日本時間17時15分から18時30分にかけて仏・独・ユーロ圏・英国の順で発表されるこの指数は、文字どおり経済現場の購買担当者へのアンケートであり、ウクライナ情勢が最初に反映される指数といってよい。これらの数値で、ロシアの侵攻懸念が欧州の経済にどのような影響を与えているのか、しっかり見ておきたい。

もちろん、翌22日に発表されるアメリカのPMI速報値も同様だ。こちらは金融引き締めの現場の様子も知りたい。

同国については、24日の10~12月期実質GDP改定値と、現在の金融政策に最も影響を与えるとおわれる個人消費支出(PCE)価格指数(1月)の数字に注目している。12月の総合指数は前年同月比5.8%の上昇となり、「PCEショック」を起こした11月の5.7%を上回り、1982年以来の伸びを見せていた。

いましばらくは市場の動揺が収まらないかもしれない。だが、修羅場を何度も乗り越えてきたことも事実であり、長い目で見れば今回もその1つにすぎない。あまり悲観せず、したたかな投資家になろうではないか。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

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