日経平均はもう一段下落する可能性が残っている 今後の日米株価動向を読む「3つのポイント」

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株価は大幅下落で割安感が出てきたようにも見える。大底と見てもいいのだろうか(写真:つのだよしお/アフロ)

このところ、主要国の「株価調整」が進んでいる。「大暴落だ」との声が聞こえるが、別に「暴落」ではまったくなかろう。

以下はすべて終値ベースで述べるが、日本の主要な株価指数では、日経平均株価は昨年9月の最高値から1月27日の直近安値まで約15%、TOPIX(東証株価指数)では同じく13%の調整だ。

アメリカ株で見れば、ニューヨークダウが年初近くの最高値から1月27日の安値までわずか7%、S&P500種指数で10%の下落にすぎない。ナスダック総合指数は下落率が大きいが、それでも昨年11月の高値から見て、1月27日までに17%の調整にとどまっている。

もちろん「では東証マザーズ指数はどうか」「個別銘柄の下げがきついものはどうか」など、下落率が高いものを挙げ始めたらキリはない。だが、主要な株価指数で2割にも満たない下落は、過去に頻繁にあった「普通の株価調整」だ。

株価の下落ペースは想定よりも速い

それが「暴落」に見えるのは、そのように感じる個人の感想なので、筆者がどうこういう筋合いはない。ただ、おそらく昨年末から今年初にかけて日米の株価が総じて堅調だったため、「この調子でいけば、どこまで日米の株価は上がるだろうか」と、投資家の期待が上方向にブレてしまい、その膨らんだ期待とそれなりの現実のギャップが大きい、という事態なのかもしれない。

このように、すでに起きた株価調整が暴落なのかどうかをダラダラ語っていても、当コラムの読者の皆様にとっては何の足しにもならないだろう。同様に、投資家の方がこれまでの株価変動で被った損益をあれこれ振り返っても、先行きの投資収益とは何の関係もない。重要なのは、これからどうなるか、どうするか、だろう。

先行きの主要国の株価動向については、引き続き短期的には上下に(上にも下にも)大きく荒れながら、まだ一段下値を探るおそれが強いと懸念している。ただ、当初は今年6月あたりまで株価の低迷が続くと予想していたが、足元の株価調整が当方の想定以上の速度であるため、見込みよりタイミングが早く、3月あたりに底入れする展開もあると考えている。

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