日経平均はもう一段下落する可能性が残っている 今後の日米株価動向を読む「3つのポイント」

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もう1つの3月底入れを想定させる出来事は、北京冬季オリンピック・パラリンピック(以下「北京五輪」と表記)だ。オリンピックは2月4日~20日、パラリンピックは3月4~13日の開催となっている。

中国にとって、北京五輪の成功は最優先課題だろう。「東京は成功したが、北京は失敗した」ということでは、中国の国家的威信にかかわる。そのため五輪期間中は、米中対立、とくに安全保障面に関する対立は、中国側からは避けるだろう。

それは逆にいえば、北京五輪後は、南沙諸島「など」における軍事的緊張が高まる、あるいはアメリカによる種々の経済面・投資面での対中制裁的な行動に対して、中国が報復的な措置を拡大する、という展開がありえよう。それによる株価下振れが3月頃に十分進めば、かえって底打ちを促すとも想定される。

投資家はどういう投資スタンスをとるべきか

では、どういう投資スタンスが好ましいのだろうか。投資の適否は、個人投資家であれば、何のために投資するのか、それは全体の人生設計の中でどのように位置づけられているのか、による。

また、そもそも自分がどういう人生を送りたいのかが人によって異なるので、どういう投資がよいのかも人によって違う。誰かほかの人の言うことに依存せず、自分自身で判断し、損益の結果をすべて自分で引き受けるのであれば、何をやるのも自由だ。

それでも、筆者としてどのような投資スタンスがよさそうかと尋ねられれば、前述の底値見通し(価格および時期)の近辺で、現物の個別銘柄や株式ファンドを、さらに株価が下振れするかもしれないと覚悟しつつ、買いためていくことがよいと考える。実際の株価の底値をぴったり予測する能力は筆者にはないし、どうせ底値で買うことは不可能だ。

もちろん「短期売買で思いっきり儲けよう」ともくろむのも、個人の自由だ。今後も極めて変動が激しい相場が続き、日々大損を被るような展開が多々起こると懸念する。筆者は何の力にもなれないが、幸運を祈る。

(当記事は会社四季報オンラインにも掲載しています)

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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