日経平均はもう一段下落する可能性が残っている 今後の日米株価動向を読む「3つのポイント」

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以下、今後の株価について3つのポイントを挙げておこう。

(1)株価はあと一段の下押しの可能性が高い

すでに株価は底入れしたかどうか、という点については、残念ながらもう一段の下押しがあると懸念している。

これまで株価下落を見込む背景理由については、昨年11月22日付の当コラム「2022年に株価を下げる『6頭の熊たち』に注意せよ」をご参照いただければ幸いだ。

この6頭のうち最近暴れているのは、1番目の「アメリカテーパリング熊」と、6番目のうち「ロシアウクライナ侵攻熊」だ。3番目の「中国熊」は市場がやや忘れかかっている感があるし、ほかの熊たちも大いに市場を荒らし回るには至っていない。まだ熊の暴れる余地があると考えれば、主要国の株価指数もまだ下落するものと見込まれる。

(2)下値のメドは?

これまで当コラムでは、日経平均の下値メドとして2万5000円前後、NYダウは3万ドル近辺、と述べてきた。それを大きく変える必要はないと考えている。もしこの予想どおりの株価下落となれば、両株価指数の最近の最高値からの下落率はともに約18%と2割程度にすぎず、やはり株価調整ではあるが、暴落ではない。

ただ、当コラムを長年ご愛読くださってきた読者の方々におかれては、筆者が得意とする「見通し外れ芸」は、重々ご承知のことと思う。「前後」「近辺」は、かなり幅広に考えていただければ幸いだ。

また、上記のメドよりも実際の底値が上にズレそうか、それとも下に外れそうかという点については、日経平均は2万5000円よりも下にズレるおそれが高いと予想する。一方、NYダウは逆に、3万ドルより実際の底値が上になる可能性が高いと見込む。

それでも、それぞれの下値メドの数値から現実の最安値が極端に乖離する展開にはなりにくいとも想定しており、現時点においては下値メドの数値を変更するほどでもないと判断する。

(3)底値の時期は当初想定よりも早まりそうだ

前述のように、株価調整は当初は6月あたりまで続くと予想していた。だが、足元で市場が悪材料を急速に織り込んできており、底入れのタイミングが3月頃に前倒しになった可能性が高いと考える。

次ページなぜ3月頃の想定なのか?
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