日経平均はもう一段下落する可能性が残っている 今後の日米株価動向を読む「3つのポイント」

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というのも、3月はちょうど底入れを想定できる出来事がいくつか思い当たるからだ。まず3月15~16日には、FOMC(連邦公開市場委員会)が開催される。

筆者は、連銀のテーパリング(量的緩和の縮小)やその先の金融引き締めといった金融政策の「正常化」そのものが問題だとは、まったく考えていない。テーパリングの最中は、債券の買い入れ額を減らすとはいっても、買い入れ自体は続いている(資金散布は量が減っても行われ続けている)わけだし、政策金利を引き上げてもいきなり1%や2%にするわけでもない。

「水ぶくれ状態」が正常化、アク抜けへ

金融政策の正常化の背景にはインフレ懸念もあるが、景気の回復もあり、連銀の金融政策がアメリカの景気を後退させるわけでも、企業収益を減益に追い込むわけでもないだろう。このため、アメリカでは株価底入れ後は、実力に沿った長期的な株価上昇基調が再来すると予想しているわけだ。

ただ、前回のコラム「日経平均が2万5000円に下落しても驚かない理由」のサブタイトル「米株は今までができすぎ、下落後は再び上昇へ」で示していたように、これまでの超緩和を背景に投資家のリスク資産(株式や社債など)への投資が水ぶくれしており、その「正常化」がテーパリングなどをきっかけにして生じ、株価下落を引き起こすと懸念していたわけだ。

前回のコラムでも述べたように、投資家が水ぶくれ後の正常化を進め、「あれもこれも買う」というスタンスから「あれかこれか」の選択に進み、株式市場内で小型株から大型株への資金逃避が生じていた。それがとうとう「あれもこれも売る」という、株式市場全体からの資金逃避に踏み出したことが、最近の株価調整の本尊だ。

その投資家行動の正常化が筆者の当初想定より速く進んできたことが、株価調整の加速となって表れている。とすれば、3月のFOMCにおいてテーパリングが完了し利上げを始めるという、すでに市場で想定されている金融政策を先取りした株価下落がもう一段進展したあと、3月FOMCの決定で実際の正常化の実行を確認して、アク抜けとなる展開はありそうだ。

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