
(本記事は「会社四季報オンライン」でも配信しています)
6月18日発売の『会社四季報』2025年3集(夏号)では、巻頭のランキング企画で「最高益更新率」ランキングなどとともに、昨今、注目度が高まっている「ネットキャッシュ倍率」に焦点を当てたランキングを掲載している。
ネットキャッシュ倍率とは、時価総額をネットキャッシュ(保有する現預金等から有利子負債を差し引いた金額)で割った倍率。その倍率が低いほど、実質的な手元資金と比べて株価が割安であることを意味する。PBR(株価純資産倍率)と同様に財務面に着目して割安な銘柄(バリュー株)を探す際に使用される指標だ。
ネットキャッシュ倍率の低い企業は投資ファンドなどからTOBの絶好の対象として狙われやすい。また、昨今は上場企業に対して資本コストや株価を意識した経営を求める声も強まっているため、ネットキャッシュ倍率の低い企業がその余剰資金の使い道として株主還元の強化に踏み切り、大幅な増配や自己株買いを発表するケースが相次いでいる。
今回はそのネットキャッシュ倍率のランキングを紹介する。ネットキャッシュを「現預金+短期保有有価証券-有利子負債-前受金」で算出し、倍率が低い順にランキングした。なお、ランキング作成に際しては、自己資本比率50%以上、時価総額300億円以上、PBR3倍未満など複数の条件を課し、対象企業を絞り込んでいる(四季報の巻頭ランキングとは一部条件を変更)。
手元資金潤沢な好財務企業が上位に
ランキングの上位には、業績の安定度が高く潤沢な手元資金を抱える一方、株価水準は低く、PBRで見ても解散価値の1倍を割り込んでいる銘柄が数多く並んでいる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら