日本株は金利上昇局面でも再浮上と見ていいのか 「本格的業績相場」の到来か、それとも失速か

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アメリカの主要市場の中では変動率が大きいナスダック市場。下落は止まったと見ていいのだろうか。日本株にも大きな影響を与えるだけに重要な局面だ(写真:ロイター/アフロ)

欧米の中央銀行で利上げの動きが本格化している。英国の中央銀行であるイングランド銀行は2月の金融政策委員会(MPC)で連続利上げを決定。先進主要国の先陣を切る形で、政策金利を0.25ポイント引き上げて0.50%とした。

一方、同日開かれたECB(欧州中央銀行)定例理事会では各種金利の据え置きを発表したが、クリスティーナ・ラガルド総裁は記者会見で、記録的な高インフレを指摘し、「年内の利上げもありうる」との見解を示し、欧州の金融政策は利上げ体制が整った。

株式市場は景気指標に過敏に反応

またアメリカも、報道されているとおり3月15~16日のFOMC(連邦公開市場委員会)から金融政策が変わる。そんな中、2月2日に発表された1月のADP雇用リポートは−30.1万人と、12月の+80.7万人を大きく下回り、2020年12月以来のマイナスになった。これは2020年4月以降で最低の数字だった。

これで一時は「年7回」(今年残りのFOMCすべてで利上げ実施)まで高まったFRB(連邦準備制度理事会)の利上げ回数や、それでも飽き足らず利上げ幅0.25%を0.5%に高めるなどの過激な金融政策の予想は、かなり緩和された。

その結果、この日のダウ工業株30種平均は前日比224ドル高と続伸した。金融政策の趨勢に注目している株式市場は、景気指標を逆指数(いい数字が出れば売り、悪ければ買い)と取っているからだ。

ところが、その2日後である4日に発表された1月の雇用統計・非農業部門雇用者数は+46.7万人と、予想の+12.5万人、12月の+19.9万人を大きく上回った。これを受けてFOMCの利上げ回数がまた元に戻った。

「3月の0.5%利上げ説」が再び高まり、ドル円レートは1ドル=115円台へ、アメリカの10年国債利回りも1.9%台へ急伸。ダウ平均は一時300ドル超の下げとなった(引けには戻り、21ドル安で終了)。

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