「日経平均3万円の再回復」が難しくなってきた 短期的には「売られすぎ」だが反発力は弱い?

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上院の銀行委員会で証言するパウエルFRB議長。筆者の指摘する「市場に脅威となる6頭の熊」のうちの複数の熊が想定より早く動き出したのかもしれない(写真:AP/アフロ)

前回11月22日配信のコラム「2022年に株価を下げる『6頭の熊たち』に注意せよ」では、「年内にもう少しだけ日米などの株価が上がり、その後来年に落ちるという展望だ」と述べ、2022年に襲いかかってきそうな「6頭の熊たち」(株価下落要因)について触れた。

一方で、同コラムでは「年内の上昇は確実なものではないし、当面の株価上昇幅もそれほど大きなものではなかろう。とすると、目先の株価上昇をあまり欲張らず、あくまでもいったんの下落相場に向けての『心構え』を、そろそろすべき局面に差し掛かっているのだろう」とも述べた。はたして、読者の皆さんはどうだったであろうか。

予想できなかった株価急落

とはいっても、11月26日以降の世界的な株価急落は、筆者にとって事前にまったく予想することができなかった。ごく最近の日経平均株価の戻り高値は11月16日の2万9808円であったが、12月2日の終値は2万7753円(いずれも終値ベース)と、その間は2055円幅の下落となっている。

この市場の波乱は、世界的に投資家のリスク回避姿勢が強まったことによるものだ。主要国の株価は下振れし、欧米の長期金利は低下、VIX指数(恐怖指数)など市場の変動を示す数値は急上昇した。為替市場では「リスク回避のための円高」が進行。国際商品市場では多くの商品価格が下落した。

金が買われてもいい局面のはずだが、金価格に動意は乏しい。これは、投資家が価格変動リスクをあまりにも恐れるあまり、「金ですら買いたくない」という事態に陥ったためだろう(リーマンショック時にも、同様の現象は生じた)。

このような世界株価の波乱は、次の2つの異なった流れが同時進行したことによって引き起こされたと考えている。

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