(第40回)【インタビュー編】「顔の見える就職と採用」を掲げるパフ・釘崎社長に聞く「本当の就職活動」

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●ウソをつかないと就職できない?

 釘崎氏は企業に「ウソをつくな」という一方で、学生には「仮面をかぶるな」と指導している。仮面とは、就活本の指導に従うことを指す。エントリーシートの書き方、面接の仕方と丁寧に就活本は教えており、就職ナビやキャリアセンターの説明や指導も中身はほとんど同一だ。
 そして人間力、コミュニケーション力がある学生を演じようとしている。「演じられる自分」を作り上げることが就職対策だと信じ込んでいる。

 なぜこんなことになっているのかというと、「悪い大人」がいるからだ。学生を惑わす情報を発信するのが悪い大人だ。たぶん私自身も悪い大人の1人だ。なぜならこの「就職塾」の記事で、「ゆとり教育で学生の学力が落ちている」「外国人学生の新卒採用が始まった」「2010年卒学生の就職率は60.8%」「2011年卒の大卒求人倍率は1.28」と就活の厳しさを説いてきたからだ。
 厳しさを知った学生は対策を立てようとする。そして就活本を読んで練習することが就職対策だという常識が確立している。ところが釘崎氏は、そんな常識を否定し、「それでは就職できない」という。「学生が就職対策に陥ってしまうとやばい」のである。

 企業のウソに対し、学生もウソをつかないと就職できないと思い込んでいる。ところが「ウソをつくから就職できない」と釘崎氏は学生に苦言を呈する。ここで言う「ウソ」とは就活本に書かれたマニュアルを鵜呑みにすることを指している。いや鵜呑みにして努力するならまだいい。もっともまずいのはコピペだろう。
 人事へのアンケートのフリーコメント欄を読むと、エントリーシートに書かれている自己PRの文章が酷似している、面接で複数の学生が同じことを話す、という指摘がある。つまり自分なりのPRを考えるのではなく、就活本に書かれているものをそのままパクっている学生がかなり多く存在しているのだ。そんな学生を採用するほど人事は愚かではない。

 学生の熱意に接したいと考えているまっとうな面接官は、こういう学生の不正行為を嫌悪する。だからウソをつく(マニュアルのまねをする)と就職できないのである。

 さて、就活本での対策に効果がないなら、学生は何をやればいいのだろうか?
 次回は釘崎氏のアドバイス内容を具体的に紹介する。
株式会社パフ
代表取締役社長 釘崎清秀

1960年生まれ。熊本・大分出身。
(株)リクルート(大学在学時)、ベンチャーソフトウェア会社、富士通(株)の系列ディーラを経た後に、人材アセスメント会社にて適性検査と人事情報システムの企画開発を行う。1995年、国内老舗のインターネット求人サイト「登龍門」立ち上げに参画。以来1997年まで、運営責任者として過ごすも、より自分自身のスタイルで就職情報ビジネスを実現するために、株式会社パフを設立。著書『キミは就職できるか?』(彩図社刊)
佃 光博(つくだ・みつひろ)
早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年、(株)文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。84年、(株)ピー・イー・シー・インタラクティブ設立。87年、学生援護会より技術系採用メディア「μα(ミューアルファ)」創刊、編集長。89年、学生援護会より転職情報誌『DODA(デューダ)』のネーミング、創刊を手掛ける。多くの採用ツール、ホームページ制作を手掛け、特に理系メディアを得意とする。2010年より、「採用プロ.com」を運営するHRプロ嘱託研究員を兼務。
佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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