(第40回)【インタビュー編】「顔の見える就職と採用」を掲げるパフ・釘崎社長に聞く「本当の就職活動」

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●採用情報の中の「ウソ」はホントか?

 ここで企業の発信する採用情報の「ウソ」について考えてみたい。まず採用情報はすべてPRであることを理解しておく必要がある。企業情報は、就職ナビ、採用ホームページ、入社案内などから得られるが、どんな形式の記事やデータであっても、その目的は自社を格好よく見せ、学生の志望動機を形成することにある。
 社員紹介でも学生受けする人物が選ばれるのが当たり前。「コンプライアンス」「CSR」「環境」といろんな言葉が書かれているが、要するに「立派な企業」と言いたいのだ。
 これらの言葉がウソかと言えば、見方によって変わってくる。明確なウソを公表することはできないし、事実に反していればすぐに「2チャンネル」や「みん就」に書かれてしまう。たぶんそういう意味でのウソは少ないはずだ。

 ただし、次のようなウソはある。たとえば「説明会は弊社を理解してもらうためのもので、選考するわけではありません」と言っていたのに、選考の場にしている企業は結構ある。
 「オープンエントリー制で人物本位採用。学校名は選考に関係ありません」も怪しい。人物本位だから面接で決めるのかと思うと、事前にふるいをかけている。材料はテストの結果とエントリーシートだが、学校名が関係している可能性も高い。
 また、学生の不満を読んでみると、「企業は学生に約束を守れ、マナーは守れ、といっているのに、社員の態度が横柄」「結果を連絡してくれなかった」「面接で3時間も待たされた」とマナーがなっていない企業も多いようだ。
 弱い立場にある学生が、大人(企業)はウソつきと思ってしまうのも無理はない。

●「大人はウソをつく」で就活を終える学生

 ウソがあるかないかは別にして、企業の採用活動を見ていると、形骸化していることは事実だと思う。スケジュールとしては春のうちに夏休みの「1dayインターンシップ」を計画し、夏前には就職ナビを選定し、採用ツールの制作会社を決めるコンペを行う。夏から採用ツール制作に入っていき、10月1日の就職ナビの正式オープンが1つの節目。
 それから未完成のホームページや入社案内の制作を継続し、11~12月に完成。1月からはセミナーの準備と実施に入り、3月、4月にヤマ場が来る。そして連休前には大手企業を中心にした第1波の就職戦線は終わる。

 「こういうスケジュールで」「こういうことをしなくてはならない」という常識が、業種を問わず、規模を問わずに存在している。Web依存だし、業者依存だが、ともかくそういうことになっている。人事も業者もそういう仕組みに乗っかって採用ツールを作り、イベントを行い、採用活動を進めていく。
 その一方で、「企業にはウソが多い」「大人はウソをつく」という感想で就活を終える学生が多いのだ。

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