成果を出す人が「地道に続けている」3つのこと 齋藤太郎×尾原和啓のクリエイティブ対談2

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尾原:たとえばクライアントから「こういう課題を解決してほしい」という依頼があったら、「お客さんが課題だと思っているものが実は課題じゃないんじゃないか」というように、その依頼そのものを疑うなんてことは、クライアントと太郎さんのあいだに信頼関係がなければできませんよね。信頼関係があるから、最初から着地点を決めずに、お互いに質問しあうなかで課題の本質を深掘っていける。そのためにはどういうマインドセットで日々過ごさなければいけないか、みたいなことが書かれているのは貴重だと思う。

②NOや苦言を伝える

尾原:さっきの「好きなお客さんとじゃないと付き合えない」っていうのは、お客さんにどこまで切り込めるかって話だし、切り込んだあとにお客さんから、「お前に切り込まれて痛いけど、一緒になってやろうぜ」って言われる関係を築かないと、ビジネスのクリエイティブはできないよ、ってことでしょう。

齋藤太郎(さいとう たろう)/コミュニケーション・デザイナー/クリエイティブディレクター。慶應義塾大学SFC卒。電通入社後、10年の勤務を経て、2005年に「文化と価値の創造」を生業とする会社dofを設立。企業スローガンは「なんとかする会社。」。ナショナルクライアントからスタートアップ企業まで、経営戦略、事業戦略、製品・サービス開発、マーケティング戦略立案、メディアプランニング、クリエイティブの最終アウトプットに至るまで、川上から川下まで「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。サントリー「角ハイボール」のブランディングには立ち上げから携わり現在15年目を迎える(撮影:梅谷秀司)

齋藤:そうだと思います。でも僕ね、クライアントとの付き合い方にしても、尾原さんから学んだことがいっぱいあるんですよ。いまパッと挙げられるだけでも2つあります。1つは、フィードバックをちゃんとし、そのときは絶対に本当のことを言うってこと。尾原さんは、いいところはちゃんと褒めるし、もうちょっと改善したほうがいいところは、ちゃんとそう言うでしょう。それっていちばんのギフトだと思うんですよ。だから自分もクライアントと接するとき、相手のことが好きだったら、正直にフィードバックします。どうでもいいやつに苦言を呈したりしない。

尾原:そう。苦言を呈するのはけっこうコストですから。好きな人にしかしませんよ。

齋藤:「この人もったいないな、ここを直せばもっとよくなるのに」と思うから、言いにくいことも言うわけでしょう。僕らは決して安くはないフィーをいただいてお仕事をするわけですけど、それって向こうのご機嫌をとって、「いやあ、素晴らしいでございますね」みたいなおべっかを使うためじゃない。高いお金をもらって相手の耳が痛いことを言うのが自分の仕事だと思ってるんですよ。

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