でも本当は、お金と幸せの間に相関関係はほとんどないのである。もう少し具体的に言えば、幸せになるために「使える」ツールは、もちろんお金もその中の一つではあるが、その他にも世の中に五万とあるのだ。
例えば、太陽、水、風、木や草や花、鳥、虫、友達、家族、笑顔、挨拶、歩くこと、走ること、スキップすること、ストレッチ、深呼吸、お寺や神社に参拝すること、風呂に入ること、料理すること、掃除すること……いやもうきりがないのでこの辺でやめときますが、このように無限にある「幸せになれるツール」の中で、お金とはその中のたった一つに過ぎない。
つまりは「お金があるかないか」だけで人の幸せが決してしまうという考え方は、どう考えても常軌を逸している。
結局、そのことに気づくか、気づかないかがすべてを分けるのではないだろうか。
というのはですね、「お金がなければ幸せになれない」とアタマから信じ込んでいると、先ほど書いたような、お金以外の幸せになれる4万9999個のツールにまったく目が行かなくなってしまうのだ。
あなたのすぐそばで、実に溢れかえるほどのたくさんのモノたちがあなたを幸せにしようとヤル気満々でスタンバイしていても、見る気のないものには何も見ることができない。気づかない。無視。いやはやこれこそ「もったいない」としか言いようがないと私は思うね。
なぜ「お金」がこれほど求められるのか
それでも、このようなもったいないことをした結果、あなたが全身全霊で追い求めている「お金」が手に入るのならいいんですよ。
でも何度もしつこく書いているように、これから爆発的経済成長なんてあるわけない。またこの度のコロナ禍や深刻な温暖化を考えても、人類の経済活動はすでに地球の限界を超えつつあると考えるのが普通だろう。その間にもわが国では人口は減り高齢化はどんどん進んで行く。つまりはわれらは、ことお金ってことに関して言えば、もう「詰んで」いるのだ。
今は将来世代からの借金でなんとかなっているかもしれないが、こんなこと永遠に続くわけない。そんな中でいつまでも「お金がなきゃ幸せになれない」などという狭い考えにとらわれていては、どう頑張っても幸せになれない確率があまりにも高い。
ってことで、当コラムもダライ・ラマとは行かぬまでも、そのお金の呪縛からたまたま抜け出すことに成功した人間として、その呪縛を解くための具体的な生活実践の方法を延々と書いているのであります。
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