痩せ型・飲まない人も「脂肪肝」油断できない理由 全身の臓器に影響を及ぼす可能性もある

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必要以上量の餌を与え、ガチョウなどの肝臓を肥大させた“フォアグラ”。あれが体内にできる、と言えば想像しやすいでしょうか。

元々は飲酒習慣のある人に多かった病気ですが、近年、アルコールを飲まない人にも確実に増えているのが特徴です。検診を受けた成人の約3割が「非アルコール性脂肪肝」になっていると言われています。

――体内にフォアグラが!? なぜ、飲酒習慣がなくても「脂肪肝」になってしまうのでしょう?

まず、体が太るのと同じメカニズムで肝臓も太っていく、と考えてください。

食べ過ぎや運動不足によって体が太るように、取り過ぎた糖質や脂質は中性脂肪として肝臓で貯まっていき、「脂肪肝」ができます。ですので、このメカニズムに関しては、飲酒習慣と関係ないのです。

「脂肪肝」は、スリム体型でも油断するべからず

――では飲酒習慣がなく、太ってもいなければ、気にする必要はないわけですね?

実はそうとも言い切れません。「非アルコール性脂肪肝」は肥満体型でなく、痩せた人でも見られるのが特徴です。

例えば、前年より数キロ体重が増えてしまった。その増えたあとの体重が標準以下だったとしても、肝臓は「脂肪肝」になっている、ということもあります。

1年間で3〜4kgの体重が増えた人は要注意です。

在宅ワークによって通勤がなくなり、コロナ禍前より動かなくなった、ついつい間食が増えた、という人が急増しています。そんな環境は、「脂肪肝」を生み出しやすい状況とも言えますね。

――フォアグラ化した肝臓は、もとには戻らないのでしょうか?

いえいえ、決してそんなことはありません。肝臓は再生能力の高い臓器です。そのため、生活習慣を整えてバランスの良い食事にしたり、適度な運動を取り入れることで、正常な肝臓を取り戻すことができます!

「“沈黙の”脂肪肝」は全身に病気を引き起こすことも

――「脂肪肝」だと、具体的にどんな症状が出るのでしょうか?

「脂肪肝」になったとしても、痛みや目立った症状などは出ません。そのため気付かず放置されてしまい、最終的に、肝臓が硬くなってしまう肝硬変や肝がんにまで進行してしまうのが最も恐れるケースです。

しかし、肝臓自体が悪くならなくても、全身の臓器に影響を及ぼす可能性があることも問題です。

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