「量的緩和バブル崩壊」はすでに始まっている 「30年バブル」が終了、長期停滞局面の入口に

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筆者は「すでにバブルは崩壊している」と断言。パウエルFRB議長のもとで、長く続いたバブルが終了するのだろうか(写真:U.S. Federal Reserve Board/ロイター/アフロ)

バブルはすでに崩壊している。崩壊の始まりは2021年9月。中国不動産バブル崩壊、恒大集団の危機がきっかけだった。

だが本当の理由はバブルがすでに最終盤にあり、アメリカの中央銀行にあたるFEDがテーパリング(量的緩和の縮小)の開始時期を2021年11月に繰り上げ、さらに利上げ開始が2022年半ばまで前倒しされる可能性をFOMC(連邦公開市場委員会)で示唆したことだった。

最高値更新前からバブル崩壊は始まっていた

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

すでに昨年9月に本欄のコラム「世界のバブル崩壊がついに始まったと言える理由」で書いたように、崩壊は始まっていたのである。

その後、NYダウ平均株価は大幅に回復しただけでなく、史上最高値を2021年11月に更新した。しかし、FEDがテーパリングを実際に開始すると、株価は同月末にかけて9月の水準まで大きく下落した。

そして、2021年12月には大乱高下が始まった。1日の中でも乱高下し、値幅が増大した。12月前半は急回復と急落を繰り返しながら、同月半ばから急回復し、ダウは年が明けて2022年1月4日に史上最高値を更新した。

しかし、ダウはそこから急落を開始した。1月24日は昨年11月末の水準を割り込み、直近の最安値を更新した。それよりも重要なことは、1日の上下の値幅が1000ドル近いことで、しかもそれが連日であったことである。

そして、1月26日にはFOMCの結果が発表となった。テーパリングを3月初めに終了し、同月中旬の会合で利上げを開始し、その後の資産縮小の原則的な考え方をわざわざ文書にして公表。FRB(連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長は記者会見で、さらに「資産縮小は利上げ開始よりも後であるが、前回の資産縮小よりもはるかに大規模」であることをはっきりと説明した。

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