東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場

「量的緩和バブル崩壊」はすでに始まっている 「30年バブル」が終了、長期停滞局面の入口に

11分で読める
  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
2/6 PAGES
3/6 PAGES

バブルが崩壊した。ほぼそれは決定的だ。

さてこのとき、第1に、なぜ毎日乱高下するのか。1日の中で大きく上がり、また下がるのか。そして第2に、なぜ昨年11月以降、乱高下を3回も繰り返したのか。この2つの、一見謎に見える現象は、実は謎どころか、最も明確な市場の現状を表しているカギとなる現象、最も明快な情報なのだ。

そもそも「市場の現状」というものは存在しない、ということを肝に銘じておく必要がある。もっと言えば、そもそも「市場」などというものは、存在しないのである。市場とは概念にすぎず、実体はない。市場とは幻想なのだ。

「市場」とは「投資家の群れ」にすぎない

では、多くの人々が「市場」と呼んでいるものとは何なのか。それは、投資家の集合体である。市場とは、投資家の群れにすぎない。

取引所とは、欲望にまみれた群れが、じゃれ合い、いがみ合い、ののしり合い、かみつき合い、そして、最後には一斉に逃げ出す場にすぎない。そういう場を提供しているにすぎないのである。

市場とは「投資家の集合体・群れにほかならない」ととらえ直すと、今まで見えなかったものがすべて見えてくる。

「市場の声を聞け」という言葉を使うのは市場も投資も知らない人々であり、「市場の声」とは投資家の声にすぎない。声というよりは、欲望から生まれた汗であり、叫びである。

市場が「中央銀行の政策変更を催促する」とか、政府の政策に対して警鐘を鳴らしたとか、きれいごとを市場関係者は言う。だが、それは単なる投資家たちの苦情である。欲望が実現できないことに対する文句にすぎない。

そして、バブル崩壊時の彼らの声とは、悲痛な叫びであり、それは取引所のおける売買行動として現れる。取引量が増えるのは、投資家たちが焦って右往左往しているからであり、動きが増えているということである。乱高下はまさに右往左往であり、どちらに動いていいかわからず、あるいはわかっているが、パニックで過敏に些細(ささい)なニュースに過剰反応し、七転八倒しているさまである。

次ページが続きます:
【投資家はバブル崩壊を認識していた】

4/6 PAGES
5/6 PAGES
6/6 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象