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「量的緩和バブル崩壊」はすでに始まっている 「30年バブル」が終了、長期停滞局面の入口に

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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このように、バブル終了の号令は3回鳴ったのである。FEDが毎回のFOMCで「バブルは終わりだ」と2カ月ごとに3連続で宣言したのだ。バブルは決定的に崩壊したのである。

決定的なバブル崩壊「3つの現象」

バブル崩壊、バブルの決定的終了を示す現象はいくつもある。

第1に、ナスダックである。アメリカのダウを見ていると、真のバブル崩壊のタイミングがわからない。だが、ナスダックのほうは2021年11月がピークであり、その後の下落幅はダウよりもはるかに大きく、調整局面入りを明示的に示している。さらに、2022年1月の下落は一直線の連日の下落である。

第2に、ビットコインの暴落も激しい。テスラのCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏の行動に惑わされている人々が多いが、何がきっかけにせよ、要はバブルが決定的に崩壊した。

第3に、日本株はすでに2021年9月にピークをつけており、東証マザーズなどの大暴落は致命的に激しい。

これらの3つが何を表しているかというと、大きくバブルになっていたものほど大きく下落しているということである。つまり、下落がすべてバブル崩壊にあることを示しているのだ。

また、弱いところほど、バブル崩壊が即座に反映されている。なぜなら、バブルの最後はそれを受け入れたくないから、まだ暴落が始まらないところ、「相対的にまし」と思われるところに資金が一時的に移動し、売るタイミングを見計らう。そして、最後の聖域であるダウ構成銘柄も、持続不可能になってきた今は、完全なるバブル崩壊が示されたのだ。

しかし、これでも、哀れな(あるいは個人投資家や投資の素人である一般メディアをバカにした)市場関係者は、言葉の上ではバブルの完全・全面崩壊を認めようとしない。

「今後は一段と企業業績をよく見る必要がある」「勝ち組・負け組を見極めて、銘柄を選別する必要がある」などと言う株式アナリストの悲痛なアドバイスは有害である。

大きく上がったものは大きく下がり、小さくしか上がっていないものは小さく下がるだけであり、今後、上がるものはほとんどない。バブルでも上がらなかった弱い銘柄は、今後も弱いので暴落はしないが、上がるわけがない。これは典型的なバブル崩壊時の風景であり、アナリストの言明パターンである。

まあ、他人の哀れな姿などどうでもいい。重要なのは、現状の市場の状態の、より正確な分析である。

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【「市場」などというものは存在しない】

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