今回でいうと、昨年9月の下落は、バブル崩壊が始まったことが皆、頭ではわかったが、まだそれを受け入れたくない、「中国だけだ」という言い訳をして、もう少しバブルに酔いたい、儲けたいという欲望が、崩壊を押しとどめたのである。
賢明な投資家たちは静かに売り進めた。なぜなら、次のショックはアメリカの中央銀行FEDの利上げによるものであり、それは確実に起こることが誰にでもわかっていたからである。
しかし、強欲な投資家は、あるいは、あとからバブルに参加して、もう少し儲けたいという甘えた投資家たちは、「まだ崩壊はもう少し先だ」ということを信じたかったし、そうしたかったのである。
量的緩和バブルは終わった
だが、11月にFEDの態度がより鮮明になり、さらに利上げは前倒し、そのペースも早まるということが明確になると、1度目の明確なバブル崩壊が起きた。しかし、ここでは完全に逃げ切れないから、売り場を作るために「バブルはまだ崩壊しない」という世論を作り上げ、「ナスダックなどのグロース株は終わりでも、コロナが終わって、これからは代わりにオールドセクターが実体経済の回復に伴い持ち直す」というストーリーでごまかそうとしたのである。
ごまかしは効かなかった。2022年になってFEDの態度が決定的になると、もう終わりである。そして、それはわかっていたから、今回のFOMCを待たずに、クリスマスの終わり頃から売り始めていたのである。
これが1カ月単位の投資家たちの行動であり、思考回路である。2度目のバブル崩壊。これは決定的であり、もはやバブルに戻ることはありえないのである。
今後はどうなるか。短期的に一時戻すような動きがあれば、そこをとらえて、逃げ損なっている投資家たちが売る。売り損ねた分を売る。そして、さらなる売り場を作るために、少し戻す。しかし、徐々に戻す局面が少なくなり、戻る幅も小さくなり、下落が続くようになる。
問題は、私が考える1990年からの実体経済の中期的な(一般的には長期的というだろうが、30年続いたバブルだから)バブルが終わり、長期停滞局面に入るかどうかだ。私は入ると思うが、そこは議論が分かれるところだろう。ただし、2009年に始まった量的緩和バブルは決定的に終わったのである。
(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)
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