東京海上が先陣切る自動車保険手続きの「無人化」 将来的には保険金支払いまで「最短30分」目指す

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同社が2月から稼働させる新しいシステムでは、約37万件の定型的な単独事故のうち、まずはレッカーやレンタカーなどの費用が発生せず、支払いが修理費のみの事故約5万件(2020年度実績)を、事前に設定したルールに基づいて自動的に抽出し、無人化対応する。

契約者からの事故の連絡や事故状況の確認、車の損傷箇所、警察への届け出の有無などは、スマホのアプリやパソコンを使って報告してもらう。ケガの状況の確認や今後の方針などのほか、支払い保険金の案内や手続きなどは無人化する。

新たなシステムのメリットは、事故対応の省力化を図れることだ。その結果、示談交渉が必要な難しい案件への対応を強化できるうえ、損保各社が近年、新たな事業領域として力を入れている自動車事故防止につながる情報提供やコンサルティングなどに一層踏み込むことができる。

保険金受け取りまでの時間を大幅に圧縮

契約者にもメリットがある。スマホだけで保険金の請求手続きが完結できるうえ、保険金の受け取りまでの時間が大幅に短縮される。

損保各社はコールセンターなどでの「24時間365日の事故対応」をうたっている。しかし、一部の損保会社を除き、夜間や休日に入った連絡は「事故の受付」をするだけで、実際の手続き(初期対応)は平日の営業時間になってから行うのが通例だ。

東京海上日動も修理費だけの定型的な事故や、緊急性が高い事故については24時間365日で事故対応しているが、それ以外の多くの自動車事故への対応は平日9時から17時までとなっている。

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