(第54回)【2011年度新卒採用戦線総括】行きすぎた就職戦線をいかに是正していくか

●産業界も人事も大学も学生も望んでいないのに、なぜか10月1日スタートする就職戦線

図表3【採用選考のあるべき開始時期】
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 不思議なことがある。採用開始時期である。採用担当者へのアンケートを見ると、採用選考の開始時期について、「3年生の12月まで」はわずか3.1%だ。そして最も多いのは「4年生の4月」開始の28.3%だ。

 大学側もあまりに早期から始まる就職戦線に「教育する時間がない」「せめて4年になってからにしてほしい」と言っている。学生ももちろん不満だ。就活にはスーツなどの服装費のほかに交通費がかかるので、あまりに長い就活は金銭的な負担も大きい。

 産業界でも経団連は毎年10月に「大学・大学院新規学卒者等の採用選考に関する企業の倫理憲章」を発表しており、共同宣言賛同企業・団体一覧を見ると著名企業はほとんど網羅されている。
 そして倫理憲章は、早期化を戒め「正常な学校教育と学習環境の確保」「選考活動早期開始の自粛」「公平・公正な採用の徹底」「情報の開示」「広報活動であることの明示」「採用内定日の遵守(10月1日以降)」と定めている。倫理憲章が内定日を「10月1日以降」としているので、それまでの内定を「内々定」と言うのだが、これも欺瞞的な言葉だ。

●就職戦線の規制をなくし、情報を開示、そして大学との絆を深める新しい指定校制度

 いろんな問題を抱えているが、日本独自の新卒一括採用が根底から覆るとは思えない。しかし、採用の仕組みは変えられると思う。可能なことはいくつか考えられる。
 まず就職戦線が10月1日から一斉に始まるという異様なスタイルは、簡単に変えられる。経団連の倫理憲章は、4年生の4月以降に選考活動を開始して10月1日以降に内定を出すように求めているが、実態としてはこれはまったく守られていない。実効性のない規制は無意味だ。
 いまの就職戦線の異様さは、就職ナビに原因がある。したがって「いつからスタート」「何年生を対象」という仕組み自体をなくしてしまってもいいのではないか。
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