上沼恵美子「YouTubeでも人気を集める」3つの理由 シニア向け動画少ない今「無双状態」にある彼女
1つは、上沼には熱心な固定ファンが数多くついているということだ。彼女の冠番組には長く続いてきた番組が多い。それは、彼女が熱烈に支持されてきたということを意味している。
上沼のことを『M-1』でしか見ていない人は、高圧的で偉そうなだけというイメージがあるかもしれない。だが、ファンが抱いている彼女のイメージはそれとは大きく異なる。
一時期、芸能界を引退していた時期も
上沼は既婚者であり、妻は夫を立てるべきだという古風な考え方に縛られ続けてきた。若手漫才師として人気絶頂だった22歳のときに結婚して、一時は芸能界を引退していた。
その後、芸能活動を再開してからも、夫に振り回される生活を送っており、妻として、母として、人並み以上の苦労を重ねながら仕事と家庭を両立させてきた。
上沼を昔から応援しているファンは、彼女のそういう一面をよく知っている。女性が今よりも抑圧されていた時代を生き抜いてきた上沼は、同世代の女性にとって憧れと尊敬の対象であり、身近に感じられる存在でもあるのだ。
上沼は全世代の男女に好かれるというタイプではないが、ある特定の層には深く刺さるタイプのタレントだ。実はYouTubeにはそういう人の方がふさわしい。広く浅く人気があるような芸能人は、テレビのようなマスメディアには向いているが、YouTubeのような個人が個人に発信する媒体には向いていない。そこそこ知名度のあるテレビタレントがYouTubeで失敗してしまうのはそのためだ。
YouTubeでは広く浅く人気を取る必要はない。自分を好きな人や自分のやることを求めてくれる人に深く刺さればいいのだ。しかも、上沼は冠番組を抱えるクラスのタレントなので、ファンの絶対数はもともと多い。
彼女のファンにはシニア層が多いと思われるが、その世代でもYouTubeを見ている人はたくさんいる。上沼のYouTubeチャンネルは、彼女の熱心なファンにとっては願ってもないファンサービスの舞台なのだ。
2つ目の理由は、上沼の圧倒的なトーク技術である。個人のYouTubeチャンネルでは、最初の動画で簡単な自己紹介をするのが定番である。上沼もそれにならって自分のデビューから現在までのことを語っていた。そのしゃべりは「圧巻」の一言に尽きる。
上沼のことをよく知らない人が見てもわかりやすい自己紹介になっている上に、『M-1グランプリ』の審査員を務めることになった経緯など、多くの人が興味を持つような話題にもきちんと触れている。プロ中のプロの話術というものを見せつけていた。
2本目に公開された動画では、彼女が『NHK紅白歌合戦』の司会を務めたときの裏話を語っていた。彼女にしか語れない面白い内容であることに加えて、昨年の『紅白』が放送される4日前にアップされていてタイミングも完璧だった。
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