「リスクゼロを目指す」企業ほど社員が硬直する訳 組織の存在意味が共有された会社はうまくいく
仕事の意味が共有され、自分が働くことに意義を感じると、生産性にはポジティブな影響があります。それがどのくらいのインパクトを持つのか。ある事例を紹介します。
ミシガン大学にはコールセンターがあります。卒業生に電話をかけ、賞品やコンテストなどのインセンティブを用いて寄付を募る仕事です。同じことの繰り返しで、寄付を断られる率も93%と一定していました。大学は職員たちのパフォーマンス改善を試みましたが、どれも成果には結びつきませんでした。
コールセンターで集めた寄付金の一部は「学生の奨学金」に使われています。そこで大学は、奨学金に対する「感謝の手紙」なら職員の心に響くのではと考え、ある学生の手紙をシェアすることにしました。
「州外の大学に通うのは、とてもお金がかかることを知りました。でも、この大学は私のルーツでもあるのです。祖父母はこの大学で出会いました。父と兄弟もすべてこの大学出身です。それで、この大学に入ることはずっと昔からの夢でした。奨学金を受け取ったときには天にも昇る気持ちでした」
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