「ロボットに100%負ける人」は一体誰が作るのか 「どうせ無理」ばかり言う周囲の大人たちの害

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学校でも社会でも、今、すごく問題になっているのは、「比べる自信」だと思います。小さいときからお兄ちゃん・お姉ちゃんと比べられたり、ほかの子どもと比べられたり、ずっとしてきたわけじゃないですか。だからつねに他人に対する劣等感か優等感で自分の気持ちを維持している。それは絶対苦しいですよね。

比べて得る自信、絶対苦しいです

けれども、「できなかったことができた」という経験は、「比べなくてよい自信」になるんですよ。「あんなに高くロケットを飛ばすなんて私にはムリ」と思っていたことが、ちゃんとできた。そうした体験だけが、きっと「比べない自信」を生むんです。

――最後に、おすすめの伝記はありますか?

伝記は、すごくよいですよ。人生にとって、もっとも必要なのは、自分がやりたいことをやったことがある人たちなんです。その人たちに出会う努力をすると、自分のやりたいことに近づけますよ。そういった意味では、伝記だけじゃなく、生きている人で、自分のやりたいことを現在やっている人に会ってみるのも、すごくよいですね。お手紙を書いてみるところから始めてみたらどうでしょうか。

また、伝記にも種類があります。小学生向け、中学生向け、大人向けと、年代別に分かれているんです。子ども向けは、美談が多く書いてある。でも対象年齢が上がっていくと、ときにはドス黒い話も出てくるんですね。そこがすごくおもしろい。たとえばライト兄弟は特許紛争で、いろいろ大失敗してしまうんですけれども、そのようすは、自分が会社を起こして、特許を取るときにすごく役に立ちました。反面教師としてね。

また、伝記にかぎらず、自分があこがれている人の生きざまを知ることって大事ですよ。人間はピンチになったとき、どうしていいのか、わからなくなる。そういうとき、誰かのマネをすると、乗りきれることがあります。「こういう生き方、かっこいいな」と思っている人の名台詞をつぶやくだけで、魂が強くなって、動けたりします。

僕が苦しいときにお世話になったのは、キャプテンハーロック、沖田艦長、ケンシロウ、ラオウなど、すべてマンガの登場人物でした(笑)。マンガのキャラクターの名言は、すばらしいパワーがありますよね。ぜひマンガ・アニメを見て、かっこいい名台詞を覚えておいてください。いつか、あなたの背中を押してくれると思いますよ。

――ありがとうございました。(聞き手・子ども若者編集部、編集・茂手木涼岳、協力・瀧本裕喜)

【プロフィール】植松努(うえまつ・つとむ)
株式会社植松電機代表取締役。全国各地での講演やモデルロケット教室を通じて、人の可能性をうばう言葉である「どうせ無理」をなくし、夢をあきらめないことの大切さを伝える活動を続けている。著書に『「どうせ無理」と思っている君へ 本当の自信の増やしかた』(PHP研究所・2017年)、『不安な時代に踏み出すための「だったらこうしてみたら?」』(PHP研究所・2021年)などがある。

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