「ロボットに100%負ける人」は一体誰が作るのか 「どうせ無理」ばかり言う周囲の大人たちの害

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そうした人たちが、ひきこもりになることもありますよね。そして社会復帰するために作業所という、国の助成を受けた施設で働く。

社会復帰の場、整備されずに

でも作業所はごくかんたんな単純作業が多いので、うまくなじめない人も多いです。ようするに、一度ドロップアウトしてしまった人が、社会復帰するためのルートが整備されていないんです。だから僕は、自信を失った人たちに小さなロケットのつくり方を覚えてもらいました。そのロケットを持って、近くの小学校へロケットのつくり方を教えに行ってもらうんです。

会社とかで、さんざんやっつけられて、「自分なんかダメだ」と思っている人たちが、子どもたちをサポートするわけです。子どものつくったロケットが飛んで行って、子どもの喜ぶ顔を見ると、なんだかサポートしている人の自信が増えていくんですよ。自分が役に立った、誰かを助けることができた経験は、人を元気にするんだなと気づいたんです。だから僕はロケット教室をあちこちでトライしています。

――すごいですね。それは植松さんが思い付いて、やられているんですか?

そうです。一番最初にロケットを使った授業をさせてほしいとお願いしたのは、娘のクラスでした。うちの娘のクラスは、16人しかいなかったんですが、そこで学級崩壊が起きていました。先週いじめをしていた人が、今週はいじめられるみたいな感じで、全員ローテーションでいじめられていたんです。しかも、すごく陰湿なんですよ。「なんでこんなことになるのだろう。ひょっとしたら、この子たちは自信がないのかな」と思ったんです。

この子たちの自信を増やすにはどうしたらよいか考えました。そして、「できるわけないと思うようなことが、できるようになったら、自信が増えるかな」と思って、ロケットを持って教室へ行きたいと言ったんです。そしたら、娘の担任の先生に怒られました。「このクラスの子どもたちは、みんな能力が低いんです。ロケットなんか、つくれるわけがないんです」と言われました。いや、うちの娘、そこにいるんだけどね(笑)。

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