「ロボットに100%負ける人」は一体誰が作るのか 「どうせ無理」ばかり言う周囲の大人たちの害
「どうしても自信が持てない」。7年間のひきこもり経験があり、現在も生きづらさをかかえる瀧本裕喜さんは悩んでいました。そんな瀧本さんの目に留まったのは植松電機社長・植松努さん。
植松さんは幼いころから宇宙にあこがれ、現在はロケット開発などに携わっている。また学校での「ロケット教室」や講演活動によって、子どもたちに自信をつけてもらうための活動をしているとのこと。「この人にならば自信を持つ秘訣が聞ける」と考え、お話をうかがいました。
「お前なんかにムリだ。できるわけない」
――植松さんは子どものころ、「飛行機やロケットに関わる仕事がしたい」と思ったところ、まわりの大人から「お前なんかにムリだ。できるわけない」とたくさん言われたとのことです。そんななかで、なぜチャレンジを続けることができたのですか?
それ、前に小学生にも質問されました。「どうしてだろう?」と自分でも思いました。よくよくふり返ってみると、僕には相談できる人がいたんですね。僕の相談相手は、伝記に書かれている人でした。実在の大人は、「できない理由」しか教えてくれなかった。「すごく頭がよくないとムリだ」、「お金もすごくかかるぞ」と。
しかも、こんなふうに否定してくる大人は、全員、飛行機やロケットをつくったことがない人たちでした。ところが、伝記を読めば、ライト兄弟など、実際につくった人が「こうやったらできるよ」と教えてくれます。何もやっていない大人ではなく、実際にやっている伝記のほうが真実だと思いました。僕は伝記の人たちに励まされて、生きてきたんです。