Adoが「殺伐としたSNSで見つけた希望」の正体 大ヒットしたデビュー曲「うっせぇわ」誕生秘話
「うっせぇわ」のメジャーデビューから駆け抜けた激動の1年、歌い手活動5周年の集大成として1st Album『狂言』を2022年1月26日にリリースする。この『狂言』というタイトルこそ、Adoの歌い手としての姿勢が込められていた。
「この『狂言』というタイトルは、Adoの名前の由来が狂言の役柄からきていて。狂言の世界における役柄でシテとアドというのがあって、シテが主役でアドが相手役、脇役という意味で。私の曲を聴いてくださる方々の代わりに戦える存在というか、誰かの人生の脇役になれたらいいのかなと思って。
歌い手になってアルバムを出すという夢が叶うってなったときに合うタイトルを考えたら、これなんじゃないかなって思ったのが『狂言』でした。
アルバムに収録されている楽曲は自分のことを交えてというよりは、自分の感情を利用してこの楽曲をどう表現できるかっていうところに焦点を当てています」
歌い手として表現したい世界観、固まっているわけではないという。様々なジャンルと楽曲に挑戦していきたい。それは、息苦しく過ごしていた幼少期にボカロ文化と出会い救われたAdoだからこそ、ボカロPに込められた思いや世界観を崩さないことを一番大事にしている。
「私は、ここにいる」初ライブで届けたいメッセージとは
アルバムのリリース以降も、初のワンマンライブ「喜劇」が2022年4月4日に東京・Zepp DiverCityで開催される。
2019年、17歳のときにZepp DiverCityでワンマンライブを行うと宣言していた場所だ。自身の夢が叶うだけでなく、Adoだからこそ語れる、秘めた思いがそこにはあった。
「リスナーや視聴者さんって、私を応援してくださっていても、本当に存在するのか不透明なところがあると思うんです。情報源がイラストなので、虚像みたいに思っているかもしれないんですが。
でもライブは、目に見える形としての場所でもあるわけで。『本当に存在するんだ』っていう、お互いの存在が確認できますし。私も視聴者さんのことを感じたいし、皆さんにも私のことをバーチャルやボーカロイドじゃなくて、“一人の人間”だということを伝えられたらいいなって。
だからこそ、仮想空間のようなバーチャルライブではなく、『私も皆さんと同じように人間として存在している』というメッセージを伝えたいですね」
インタビューの最後に、アーティストとして大躍進の活躍の裏で一人の女性として感じた幸せを語ってもらった。
「普通の生活は、何も変わらないんです。一人暮らしっていう環境的な変化はありましたけど、親も友人も態度や接し方は、変わらなかったんですよね。
友人たちも遊びに来て、『これ食べていい?』と勝手に食べて、そのまま寝てたり(笑)。いい意味で気を使わないです。変わらないでいてくれた現状が何より一番嬉しかった。もし全部が変わってしまったら、『私ってどこにいるんだろう』と迷ってしまうと思う。変わらない関係でいてくれることが何よりも嬉しいですね」
インタビューは、オンラインでの対話だった。最後に語ってくれた思いは、19歳の等身大を最も感じる瞬間だった。
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