つまり、政府の資源配分へのかかわりを減らすという意味での「小さな政府」は、大きな富の再配分による「大きな福祉」「大きなセーフティーネット」と両立する。これからの「新自由主義」者が掲げるべきキャッチフレーズは「小さな政府で、大きな福祉を!」ではなかろうか。
まず、社会的に強力なセーフティーネットを作る。そのうえで「新自由主義」を徹底することが、日本経済の閉塞性を打破する処方箋になるのではないか。
公的な教育費支出を少なくとも2倍以上に
加えて政府の追加的役割として重要なものを挙げると、公的な教育費支出を少なくとも倍増することだろう。教育による人的資本の充実こそが生産性を高める源になるし、教育にはそれ自体が経済格差を拡大する効果があるので、格差の拡大を阻止するうえでも教育の多くを公費で賄うことが有効だ。
今のように「高度な学問は外国の一流大学に行って学んでください」と言わんばかりの「教育のアウトソーシング」をしていると、経済も活性化できないし、国力もやせる。
日本国内での教育水準を頂点・底辺両面で大きくレベルアップすることが何としても必要だろう。教育は効果が出るまでに時間がかかるから、国が投資にかかわっていい。「10兆円」が大学「ファンド」であるというようなケチな話ではなく、毎年の追加的な教育費「支出」だ、というくらいのスケールで教育投資にかけることが必要ではないだろうか。
岸田首相にもそのような「臭い」があることが残念なのだが、「資本主義」とか「新自由主義」といった言葉を使って、何かを考えたかのように勘違いしている人が多いことが残念だ。おそらくは、十分に考えていないか、言葉を発したこと自体に酔っている。
それにしても、「資本主義」というもっともらしい言葉を発明した人はつくづく偉い。筆者も含まれるのかもしれないが、いったい何億人がこの言葉とかかわることで飯を食えたのだろうか!
(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。
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