年初ということで、「今年の10大なんとか」というのを世相に迎合してやってみよう。本コラムでは「2022年日本の有識者の10大誤謬」でいこう。
今の日本の景気は悪くないし、デフレでもない
(誤謬その1)日本経済は景気が悪い
逆だ。よい。
2021年、日本の景気はとてもよかった。2008年のリーマンショック以来最高といってもよい。だから、景気を立て直すという経済政策はすべて間違いであり、すべての景気対策、経済対策は間違いだ。
例を挙げよう。2021年11月の小売業販売額は前年比+1.9%。鉱工業生産指数は前月比+7.2%。同完全失業率は2.8%。新規求人倍率は2.13倍。また百貨店売り上げは前年同月比+8.1%。全国のスーパーの売上高も同+2.8%だ。
問題は、これから景気がよすぎて、今後景気が下向きになったときにどうするかということであり、今の景気よりも長期の経済成長の見通しのほうが心配である。
(誤謬その2)日本はデフレである
ありえない。
消費者物価ですら、2021年11月は前年比0.6%上昇。これは3カ月連続。しかも2020年2月以来の高い伸び。携帯電話料金があるから、実質的には1%以上の上昇といわれている。
問題は、企業物価、卸売物価だ。2021年11月の国内企業物価指数は前年同月比9.0%上昇。円ベースでの輸出物価は前年比15.0%上昇。輸入物価指数は前年比44.3%も上昇、前月比で4.9%上昇している。
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