有識者が言いがちな「日本経済10の大間違い」 景気は悪くないし、もはや円安は日本に不利

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さて、競走馬も年が明けて、みんな1つ年を取った。そう。競走馬は数え年なので、暦が変わると一斉に皆1つ年を取るのである。

例えば、かつては「年の初めに行われる金杯は高齢馬を狙え」と言われていたものだ。なぜなら高齢馬は人気がないからだ。

「8歳」などというと、もう勝てないだろうとみんなが思うが、1週間前まで7歳馬で健在だったのだから「お買い得」ということだ。とりわけ10歳馬とかになれば、皆びっくりするから避けるが、9歳だとそれほどのインパクトがない。なので、10歳馬は期待値的には買いだ。

シンザン記念は母系が素晴らしいラスールで仕方ない

しかし、残念ながらこの週末の重賞は、いずれも3歳限定戦だ。このネタが使えない。つまらないが、シンザン記念(9日中京競馬場第11レース、芝の1600メートル競走、G3)だ。予想もつまらないが、断然1番人気のラスールで仕方がない。

ラスールの父は私の嫌いなキタサンブラックで、種牡馬としてはキタサンブラックが馬体に恵まれたため活躍しているが、遺伝的には必ずしも大型ではないので、遺伝子的には割高な種馬だと思う。

だが、このラスールは母系が素晴らしい。大活躍したモルジアナ、シャケトラの下(弟)になる。この母サマーハの父(ラスールの母の父)はシングスピール。ジャパンカップを勝った馬の中でも最も良血と言ってもいいほどであり、母にグローリアスソングを持つ。

このグローリアスソングは17勝もしており(アメリカのG1を4勝)、タイキシャトルの父デヴィルズバックやセントバラードといった優秀な種牡馬を弟に持ち、ラーイやシングスピールという成功した種牡馬を産んだ。

一方、キタサンブラックの中にもぐるジャッジアンジェルーチという、日本で大失敗に終わったが、底力にあふれ、母の父としてはものすごく力を伝える種牡馬の血が、キタサンブラックに底力を伝えたと考えられる。このような血を受けたラスールも、大物になる可能性があるだろう。レースぶりに注目だ。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

小幡 績 慶應義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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