有識者が言いがちな「日本経済10の大間違い」 景気は悪くないし、もはや円安は日本に不利

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(誤謬その10)バブルは崩壊して初めてバブルとわかる

これは毎度お決まりの私の批判だ。バブルはバブルとわかっているからこそ、投資家はバブルに群がるのである。バブルに乗れば儲かるからである。

バブルは2022年か2023年に崩壊する

そして、バブルは必ず崩壊する。なぜなら儲かるから群がっているので、どこかでこの群れは売って儲けを確定させようとするからである。

その崩壊が2021年に決定的に起こると思ったのだが、その気配は何度もあったものの、決定的には崩壊しなかった。その意味で私は間違えたわけだが、今起きていることがバブルであることは間違いない。それは2022年か2023年に決定的に崩壊することで証明されるはずだ。

この検証は直ちに次回の記事で行うことにしようと思っていたが、執筆時点(1月6日)で日経平均株価は前日比844円安となり、「バブル崩壊か⁉︎」という議論にもなりそうなので、解説しておこう。

1月6日に日経平均が下がったのは、5日のアメリカ市場で株価が大きく下落したからである。その理由は、FED(アメリカの連銀)の11月FOMC(公開市場委員会)議事要旨が公表され、投資家たちが考えているよりもFOMCメンバーははるかにタカ派であることが判明したからだ。

さらに、利上げもまたテーパリング(資産購入額の増加分の縮小)の終了にとどまらず、「バランスシートの縮小」も、投資家の予想よりもはるかに早く始まりそうであることが示唆されたからだ。

ナスダック総合指数がNYダウよりもはるかに大きく下げたのも、バブルでより大きく膨らんだテクノロジー株が暴落していること、バブル崩壊に近づいていることを示している。

そもそもアメリカの株式相場は2021年11月以降、とくに乱高下が続いている。「最高値を更新しているじゃないか」と思う人は素人だ。バブルは弾ける前が最も膨らむ。そして、乱高下するというのは、いちばん悪いサインだ。なぜなら、投資家のセンチメント、不安が乱高下していることの現れだからだ。

不安ということは「バブル崩壊が近い」と投資家自身が認識していることを示している。だから、最後のヤマを取りたいとも思うし、崩壊には巻き込まれたくないとも思う。だから、揺れ動くのである。

11月以降揺れたのも、きっかけと理由は、FEDのテーパリングが加速することが判明し、2022年以降の利上げが前倒しとなり、かつ利上げ幅も大きいことが判明したからだ。

中央銀行の政策に揺れ動くのは、現在の相場が金融相場、マネー相場、バブルそのものであるからだ。したがって、現在の乱高下はバブル崩壊寸前であることを、またしても裏付けているのである。ただ、最終的崩壊がいつになるか、それだけが不透明だ。

しかし、私のメインシナリオは今年崩壊。サブシナリオは2023年崩壊。そして、日本はつねにアメリカ市場に追随だから、同時期に崩壊する(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬コーナー。前振りを行ってから、シンザン記念予想へ
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