有識者が言いがちな「日本経済10の大間違い」 景気は悪くないし、もはや円安は日本に不利

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(誤謬その8)イノベーションはすばらしい

間違いだ。

よいイノベーションもあれば、悪いイノベーションもある。経済学者ヨーゼフ・シュンペーターの『経済発展の理論』の原本をきちんと読めば、彼が言う「新結合」とは「既存の経済主体から奪い、新しいことを別の主体が行う」ということにすぎない。

さらに注意しなければいけないのは、彼はイノベーションとはひと言も言っていないのであり、新結合である。彼の体系では、新結合が信用や強力な銀行を生み出し、それが景気循環を起こし、そして恐慌を起こす、ということなのである。だから「新結合がすばらしい」とすら本人は言っていない。

ましてや、現在、人々が礼賛するイノベーションとは、前述のように、覇権争いにすぎないことが多く、悪いことが多いのである。ただし「新しいものであれば何でも古いものよりも望ましい」という価値観が成立する場合には「イノベーションは正しい、望ましい」ということになる。

これはさらに深く議論する必要があり、今年、必ず記事に書きたい。

「資本主義」についてどう考えるべきか

(誤謬その9)資本主義は悪い制度だが、社会主義よりはましだ(ほかに選択肢がない)

これは何重もの間違いを含んでいる。

まず、資本主義とは「制度」ではなく「現象」であり、近代の社会経済を描写する言葉にすぎない。したがって「資本主義の代替案、選択肢が社会主義」というのも間違いである。

要は、歴史的に、あるいは同時代においても「権力闘争を行うときのキャッチコピー」にすぎない。「イデオロギー闘争」というと少し高尚に聞こえるかもしれないが、要は権力闘争であり、ただのうたい文句、あるいは相手への攻撃のための「罵倒のフレーズ」でしかない。

これも今年、ゆっくり議論する必要がありそうだ。

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