大阪でネイルにキャラ描く彼女が得た最高の稼業 独自の「痛ネイル」を身に着けるまでに努力重ねた

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「私は特技として記憶力のよさがあるんです。1回会った人のことはまず忘れない。これはネイリストになってからも役に立っています。

あと、ヤンキーっぽい女性が好きな、ちょっと悪いタイプの人に気に入られることが多かったです。私はヤンキーだったことは一度もないんですけど、そう見えるらしくて(笑)。それである程度の稼ぎを作ってました。

ただ、やっぱり小さい頃からの『団体行動が苦手』というのが出てしまいました。キャバクラは個人戦に見えますが実はチームワーク戦も大事なんです。裏での助け合いが必要不可欠なんですね。私はそれができなかった。だからいつの間にか居場所がなくなって、お店はコロコロ変わってました。

売れるキャバ嬢って、『見た目』『接客』『マメさ』などさまざまな要素があるんですけど、『若さ』である程度カバーできてしまうんです。18~22歳くらいが最強の年齢だと思います。

でも毎年、確実に歳はとっていきます。年を重ねる間に、若い子に勝る強みを身につけていれば戦えるけど、私にはできていなかった。それで20代も後半に差しかかってきて、

『毎年、新しい若い子が入ってくる。どんどんと居場所がなくなっていくのを感じる。このままどうなっちゃうんだろう?』

と焦燥感に駆られました」

何かになりたい。

でも何になっていいかわからない。

結木さんはジワジワと焦りを感じていた。

「そんなある日、東京に出るきっかけとなった男性から、

『キャバ嬢は辞めてほしい』

って言われたんです。その人とは付き合ってるわけではなかったんですが、関係が長くなってからそんなこと言われたらうれしいわけです。ハッピーになってキャバクラを辞めちゃって、就職活動することにしました」

面接官から言われた今も記憶に残る一言

結木さんはそれまで就職活動をしたことがなかった。職務経歴書がなんなのかもよくわからなかったくらいだ。

ただ知的財産管理技能士2級を持っていたので、その資格が生きそうなアニメ会社の就職試験を受けた。

「面接官にボロカスに言われました。

『面接のときにそのメイク、ヘアスタイル、スーツで来る子はいないよ。六本木で会おうね』

とか言われました。私はキチンとした格好をしたつもりだったんですが、面接官から見たら夜の女感が丸出しだったんでしょうね。その会社のことはいまだに忘れられません」

結局、就職はできずヒマになってしまった。

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