「ハズレを引いた人生」が楽しくて仕方がない訳 「人生を選べる幸せ」りょかちのライフシフト論

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すべてがかなわなくても、自分の「ありうる自己像」や選択肢を楽しむ人生を送る(写真:Pangaea/PIXTA)
シリーズ累計50万部のベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の最新版『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2):100年時代の行動戦略』が、ついに刊行された。
学生時代よりライターとして活躍し、新卒で入社した大手IT企業で企画職として働くかたわら、「自撮ラー」として活動。独立した現在は若者やネット文化についての情報発信などを行うりょかち氏が、本書の魅力を説く。

ライフシフターに優しくない日本社会

私は、新卒時代から並行して取り組んできた副業に本格的に取り組むために迷って、会社員を辞めてフリーランスになりました。より専門的な知識を得るために大学で学び直そうと考えていたときもありましたし、周囲にも同じように会社員生活を中断して“学び直し”に取り組みたい人がいましたから、『ライフ・シフト2』に書かれていることには手触り感があってなじみがあります。

『LIFE SHIFT2(ライフ・シフト2):100年時代の行動戦略』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

現在、幸運にもライターとしてお仕事をいただいています。周囲からは、うまくやっていると見られることもありますが、今の立場では、住宅のような大きな買い物をローンを組んで購入できなかったり、社会的信用が足りないと痛感させられたり、“会社員ではなくフリーランスとして働く自分”の人生を歩もうとする中で、世の中の仕組みというハードルを感じてもいます。

私はミレニアル世代ですが、周囲には、働く中でも改めて学習する時間を持ちたい、フルタイムで働く以外の時間を過ごしたいと考えている人が少なくありません。

たまたまフリーランスなどの形態にうまく移行できる人もいるかもしれませんが、そうでない人が、「キャリアの中断」に厳しい日本社会でたとえ半年でも会社員を休んで学ぼうと思うなら、キャリアの中断ではなく、雇用社会からの卒業である「FIRE(金銭的な独立と早期リタイア)」するしかないと考えてしまうのが現状ではないでしょうか。

大企業の面接官の側にいる方に話を聞くと、フリーランスになるのはいいけれど、企業としては、履歴書にブランクがあると「ちょっと変わってるな」と考えてしまう、と言います。

実際、大手企業を辞めて2年ほど海外留学していた知人は、とても優秀であるにもかかわらず、再就職先を探すのに苦労していました。

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