「ハズレを引いた人生」が楽しくて仕方がない訳 「人生を選べる幸せ」りょかちのライフシフト論

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マルチステージの人生への移行に、困難を感じる人は多いと思います。本書でも指摘されているように、企業や国などがもっと多様な人生を歩む人に寛容になってくれたらうれしいですね。

会社員としての「成長痛」は重要

今は、副業は当たり前という認識に変わってきましたが、私が始めた頃は、会社でもまだ数人しかやっていなくて、かなりのイレギュラーケースでした。会社を辞められたのは、正直なところ、半年間無収入になっても暮らせるだけの貯金ができたことが大きいです。実際、独立して最初の数カ月の収入は数万円でしたから。

実は、フリーランスをやりながら大学に通いたいと思っていました。でも、最初の数カ月で思った以上に貯金が減ったために、考え直すことになりました。幸い、仕事は忙しいのですが、今もまだその準備はできていない状態です。

会社員時代も今も、どちらも楽しくて、どちらも苦しいですね。フリーランスは自由だし、自分の得意な仕事を好きな人と一緒にやれます。自己肯定感も感じられて面白いのですが、やはり、企業の中で組織で行う仕事のスケールは大きいですし、フリーランスという立場は、自分から提案しなければ、一般的にはできることしか頼まれないので、成長痛のようなものも得にくい環境にあります。会社員時代は、新卒から入社した会社ということもあり、幅広い業務を担当して、苦手なこともたくさんやりました。それを乗り越えるときは痛みがありましたし、自分を育てようとしてくれる上司の期待に応えようとして、苦しむこともありました。

ですが今は、それを経験しておいてよかったと思っています。自分の得意・不得意は最初はわかりませんし、成長痛と向き合うことがなければ、社会人としてのプロ意識は身につかず、社会がどういうものかも理解できなかったでしょう。

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