「ハズレを引いた人生」が楽しくて仕方がない訳 「人生を選べる幸せ」りょかちのライフシフト論

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新卒採用に重きを置く日本は、表面的には社会人とはいえ、実際はまっさらな赤ちゃんを採用するようなものです。社会人として、最初は、たくさんのことに取り組む模索の期間がある。私もそうして、苦手なことも含めいろいろな経験をして、UXの知識も多少あれば、ディレクションもできるようになりました。その経験が、ライターとなった今、必要な知識として生かされ、唯一無二の要素になっているとも思っています。

すべてがかなわなくても選択肢を楽しむ

『ライフ・シフト2』に、「安定した過去と不透明な未来の間を漂っている」という一節がありました。これは刺さりました。私と同世代の方々はすごく共感できる言葉じゃないでしょうか。

私は、学生時代から、願ったことがかなった経験がありません。もともとは社会学を勉強したいと思っていましたが、希望の大学はすべて落ちました。その後、出版社に就職したかったのですが、それもかないませんでした。

でも、選びたかったものの代わりに選んだ人生こそが、いまの自分の人生をもっと楽しくしてくれたと思っています。例えば、大学にすべて落ちた後、“社会”の大きな要素はなんだろう? ビジネスではないか?と考えて、社会学の代わりに専攻した経営学は、私の知識の礎となっていますし、出版社に入社できなかったときに、 “新しい情報で世の中を動かしたい”という欲求を違う角度から見て、Webサービスをつくる会社に入ったことは、今となっては自分にとても合っていた選択だったと思います。

思いどおりにいかなかった選択が、思いも寄らず、思い描いていた以上にいい未来に自分を連れて行ってくれるという機会に恵まれていた人生なんです。だからこそ、目の前に現れた選択肢や、いま「楽しい」と思えることをやり続けるということを目標にしています。

次ページ「新しい働き方」の検証は続く
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