「ハズレを引いた人生」が楽しくて仕方がない訳 「人生を選べる幸せ」りょかちのライフシフト論
会社員時代は、「お金を持っている人は成功している人だ」「役職を持って働いている人がすごい」ということ価値観をなんとなく持っていました。「給料が下がっても、自分が楽しい仕事をする」「仕事はほどほどにして、ゆったりとしたプライベートを楽しむ」といった話は、自己防衛の意識からか、「信用できない」と思っていました。
でも、今は仕事で金銭的な利益を得るよりも、プライベートを大切にする人の気持ちもわかります。自分の仕事と人生を一緒に考えて、「こういうライフスタイルができているから、自分は幸せだな」と思うことが増えたからかもしれません。
選ぶ大変さを楽しもう
選ぶことは大変ですが、楽しんでそれができる人が増えるといいなと思います。ただ、選択を嫌がる人もいますよね。
インターネットサービスでは、レコメンドが愛される中で、「自分で決めたくない」という強いニーズがあります。本や広告も、どんどん「わかりやすいもの」がウケるようになっているように感じています。
そんな状況で、「わからないけれど、自分で考えて選んでみよう」というのは、非常にコストが高く、それを楽しめる人と、嫌がる人とに二極化してしまいますね。
ただ、本書に書かれているように、たとえば自分がいる業界そのものが消滅する、といったラディカルな危機もこれから訪れるでしょうし、そうなると、やはり、変化することを楽しめるということが重要になるのではないでしょうか。
私の場合は、人生があまりうまくいかなかったからこそ、うまくいかなかった選択の先に、人生が拓けていくチャンスがあるのを知っているのかもしれません。もしうまくいかなくても、助けてくれる友達や家族がいるから、どうにかなると思える資産もあります。お金だけが資産ではない。大きな選択をしたり、思いも寄らない未来が訪れるたび、お金以外の資産のありがたさを感じています。
受験や就活がすべて思いどおりでなかったとしても、何とかなってきたという経験から、「ダメでもなんとかなる」「ハズレを引いても大丈夫」という感覚を得られたことは、自分で選択して、時には失敗してきたメリットかもしれませんね。
マルチステージな人生を歩む人を応援するためにも、これからも、新しい自分を発信していきたいですね。世の中に実例があるということは、それだけで励みになるかもしれないし、実例を示してメディアで発信することは、世の中が変わる小さな力の1つになるかもしれない。
幸せとは、人生を選ぶことを楽しめるということ。そして、自分の「ありうる自己像」にワクワクし続けられるということ。今はそう思っています。
(構成:泉美木蘭)
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