ホンダ「2050年交通事故死者ゼロ目標」に必要な技 AIや通信など先進の将来安全技術を世界初公開

✎ 1〜 ✎ 80 ✎ 81 ✎ 82 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、光学式カメラでの外界認識を通信技術に置き換えた「V2PとADAS技術との連携」技術もホンダは前述したリスク先読み運転支援と同時に研究開発を行っている。

光学式カメラで外界を捉える(筆者撮影)

現在、衝突被害軽減ブレーキにはじまるADAS(先進運転支援システム)は、光学式カメラやミリ波など複数のセンサー情報を融合させるフュージョン方式で精度を高めているが、ホンダではAIを用いた歩行者との事故回避においても、光学式カメラ手法と通信技術手法を併用することで精度を高め、対応可能なシーンを増やしていくという。

二輪車の立ちゴケや低速走行の転倒を防ぐ

3:二輪車の姿勢を制御するライディングアシスト

二輪車には全身を使って走らせる醍醐味がある。筆者もその魅力に取りつかれ16歳から乗り続けている。ただ、二輪車はバランスを保ちながら走行する特性上、転倒は免れない。渋滞時など低速走行には特有のテクニックも必要とする。

2017年、ホンダはホイールベースを可変させるなどして倒れずに自立する二輪車「ホンダ Riding Assist-e」を発表しているが、今回紹介された「ライディングアシスト」はその発展版である。

ライディングアシスト技術搭載車(筆者撮影)

実験車両は、ホンダがかつて販売していた「NM4」をベースに内燃機関をおろし、バッテリー駆動式に改造したうえで、二輪姿勢制御機構である「ライディングアシスト」を組み込み構成された。

姿勢制御は、ホンダの人型ロボット「ASIMO」で培った姿勢安定化技術を応用した「バランスアシスト技術」によって実現する。前輪を動かす駆動装置と、後輪前に設置された車体・後輪揺動機構、さらに車体中央に設置したジャイロセンサーを駆使して、倒れそうになる反対側へ車体を動かして復元力を高めて転倒を防ぐ。

ジャイロセンサーなどを駆使して自立(筆者撮影)

このライディングアシストでは、停車時の転倒(立ちゴケ)が抑制され、さらに不安定になりがちな10㎞/h以下での走行時に車両の安定性が大きく高まる。また、先のホンダ Riding Assist-eのシステム制御から前輪への介入度合いを減らすことで自然なライディングができるという。

次ページ「交通事故ゼロすら目指せるのでは?」
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事