②心臓より下に手を下げる
腕を下げることで血液を腕に集め、血管を拡げることができます。採血を待つとき、立った状態や座った状態なら手をだらんと下げておきましょう。寝た状態で待つときはベッドの外に腕を出しておくとよいです。
③親指を中にして握る
採血のときに「親指を中にしてグーの手にしてください」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。これは手に力を込めて血液量を増やし血管を拡げる効果があります。
さらに「グッグッ」とポンプのように、こぶしを握っては力を抜くという動作を繰り返すと効果的です。手を握ったときには動脈を通じて血液が腕に集まり、力を抜いたときには静脈を通じて血液が心臓に戻ろうとしますが、このとき腕が駆血されていると、その部分で血液がせき止められるため、結果として腕の血流が増加するのです。
④水分をしっかり摂る
身体が脱水気味だと血管も細くなってしまいます。検査当日は水やお茶を多めに飲み、身体の血液量をしっかり増やしておきましょう。合計1リットルくらい飲めるとよいですが、無理のない範囲で構いません。ただし、検査前に飲水制限がある場合は医師の指示に従ってください。また水分といっても、ジュースなど糖分を含む飲み物は血糖値に影響があるため控えましょう。
⑤深呼吸をする
緊張によって交感神経がはたらくことで血管は収縮してしまいます。採血そのものが苦手な方や、また失敗されるかも……と不安な状況ではなかなかリラックスするのも難しいと思いますが、深呼吸を数回行うだけでも副交感神経がはたらき、身体をリラックスさせる効果があります。
「採血が成功した部分」を伝える
ほかにも、医療者との関わりのなかで工夫できることはいくつもあります。
採血がいつもなかなか成功しない方は、前回採血が成功した部分がどこか伝えるとよいです。医療者側も初めての患者さんを担当するときは、まず両腕全体からよい血管を探す必要があるため、左右どちらの腕の、大体どのあたり(ひじの内側、手の甲など)に採血しやすい場所があるかを知るだけでも血管を探しやすくなり、結果的にスムーズな検査につながります。
また、採血される前から「プロなら絶対に失敗するなよ」と感情をあらわにする方がいらっしゃいますが、医療者側も人間ですからそうしたプレッシャーは直に伝わります。1回でスムーズに検査を終わらせたい気持ちは医療者も同じです。
とくに身体の調子が悪いときに検査を受ける場合は余裕もなく、検査自体への不安な気持ちもわかりますが、自分がいま何に対して不安なのかを一度見つめなおし、気になることは積極的に医師や看護師に伝えましょう。少しでも気がかりのあることが解消されれば、穏やかな気持ちで検査を受けることにつながります。
採血は医療者とのコミュニケーションの機会でもあります。お互いに歩み寄ることで気持ちよく検査を終えたいものですね。
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