外来種・ハイアールはガラパゴス・日本を席巻するのか?《それゆけ!カナモリさん》
■イグアナのように心が縮んだ消費者の心をとらえるのは…

マクロ環境で考えれば、日本の人口は2005年から減小に転じている。2015年までは世帯数は増加すると予測されているが、そのほとんどが単身・少人数世帯である。さらに長引く不景気は財布の紐を引き締め、買い換えるたびにグレードアップするという、「すごろく型の消費」などはもはや過去の購買行動でしかない。
日本向けのハイアールの家電は、日本向けのデザインや機能を搭載し、製品開発されるという。しかし、オーバースペックな開発はせず、「必要十分」というレベルで価格を抑え、コストパフォーマンスの良さで勝負をかけてくるはずだ。価格は安いが、そこそこ品質がいい「グッドバリュー戦略」。アパレルに例えるなら、ファーストリテイリングの「ジーユー(g.u.)」のような競争価格戦略のポジションだ。昨今の消費者の多くは「それでも十分」という購買意志決定をする。最高の品質・最高の価格という「プレミアム戦略」だけが支持される時代ではない。
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